[51]横浜市の「水際作戦」を告発~生活保護の精神をないがしろにする自治体の現実 住まいをめぐり理不尽な行政対応が頻発。「当たり前の権利」と認識を 稲葉剛 立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科客員教授 3月9日、横浜市神奈川区役所の会議室。 区の福祉保健センターの担当部長をはじめとして、課長、係長ら5人の職員が一斉に立ち上がり、深々と頭を下げた。 「今回の案件につきまして、 A様の心配事に寄り添えずにきちっとした相談対応ができなかったこと、生活保護の申請をしたいとお話されているにもかかわらず、結果的に申請を受けなかったことは、大変、申し訳ございませんでした。」 抗議に訪れていた私は、職員たちの後頭部を見つめながら、既視感を拭うことができなかった。 虚偽説明繰り返し申請書受けとらぬ神奈川区職員 この日、横浜まで足を運んだのは、2月22日に神奈川区の福祉事務所で生活保護の申請に訪れた20代