2020年6月5日、参議院本会議で「聴覚障害者等による電話の利用の円滑化に関する法律」が全員一致で可決され、2021年度に新たな公共インフラとして公的電話リレーサービスが日本でも開始されることになりました。長年、電話リレーサービスについて研究してきた本学の井上正之先生に、法律成立までの経緯やサービスの意義などについてお話を聞きました。 Q.電話リレーサービスとはなんでしょうか?図1 電話リレーサービスのサービスイメージ聴覚障害者は、その障害の特性上、音声によるやりとりを前提とする電話サービスの利用が困難で、社会参加をしていく上での大きな障壁となっています。 そこで、聴覚障害者と一般電話ユーザの間に「オペレータ」が入り、文字 ⇔ 音声・手話 ⇔ 音声のメディア変換をリアルタイムに行う事で、いつでもどこでも誰とでも相互の通話を可能にするのが電話リレーサービスです(図1)。 世界で最初に電話リレ