お知らせ 第4回ツギクル小説大賞で、当サイトの作品「夢幻の旅」が奨励賞を受賞しました。 管理人:Inazuma Ramone ケースを開きスマホの画面を見ると、電池が残り三十パーセントを切っている。 この先何日かの入院生活を考えて少々焦り、充電用のケーブルを持ってきてくれたか聞いてみた。 「良美、スマホのケーブル持ってきてくれた?」 「引き出しに入れてある」 「よかった、充電しておこう」 サイドテーブルの引き出しを開け、ケーブルを枕元にあるベッド備え付けのコンセントに差し込み、反対側をスマホにつなぐ。 テレビはカードを買わなきゃ見ることができないし、職業柄か本を読む気にもならない。仕事で大量の本を扱ってるためか、最近は雑誌すらも表紙を見ただけで満足してしまう。 俺は充電をはじめたスマホをサイドテーブルに置き、ベッドに寝転んで上を見ると、天井の四角い枠の中に蛍の顔が浮かんでくる。 ここのとこ