無性に米線が食べたくなる時がある。 米線とは中国雲南省の郷土料理だ。 ぼくはかつて一年半ほど雲南省都の昆明に住んでゐたことがあり、その時は毎日のように米線を食べてゐた。 日本では食べられる店が少ない。 先日行った新橋の「過橋米線」はぼくが昆明で食べてゐたのと同じ味でたいへん満足した。 「これだ、これだ」と言いながら嬉しくいただいた。 昆明の乾いた空気がときどき恋しくなる。 琵琶の音、古筝の音。 高い空。 油だらけ、唐辛子まみれの料理。 懐かしい。 今すぐ、もう一度、土鍋米線を食べたい。 土鍋米線。