医学における[注 1]妄想(もうそう、英: delusion)とは、その文化において共有されない誤った確信のこと[2]。精神疾患などに多く起こり、根拠が薄弱または皆無であるにもかかわらず、確信が異常に強固であるということ、内容が非現実的であるということ、経験、検証、説得などによる訂正が困難であるということが特徴とされている[3]。 妄想の内容や程度は個人差が大きく、軽度で生活に支障をほとんど来たさないものから、重大な支障を来たすようなものまで様々である。当人がその考えが妄想であると認識できない(病識がない)場合が多いが、漠然と非合理性に気づいている場合(いわゆる「病感」がある状態)もある。また、妄想世界と現実世界が心の中で並立してその双方を行き来する「二重見当識」[4]という状態もある。 本項では、仏教用語としてのものと、慣用語としての妄想についても記述する。 古典的には、まったく根拠を持