◇「生きづらさ」募らせて アクリル板越しに骨張った色白の顔が見えた。08年11月、水戸市郊外の水戸拘置支所面会室。「つまらない人生をさっさと終わらせたかった。自分で自分を殺す勇気はないから、人を殺して死刑になろうと思った」。土浦市のJR荒川沖駅周辺で連続殺傷事件を起こした金川(かながわ)真大(まさひろ)被告(25)は終始、笑みを浮かべていた。2人の命を奪い、7人を傷つけた動機がそんな言葉で片付けられるのか、根底に何があるのか。記者は疑問が消えず、手紙や面会で問い続けてきた。 <ファンタジーの世界に生まれたかった。現実世界には魅力を感じない。じゃあ、死のう><後悔?この世の真実を悟った俺(おれ)には、そんなものありません>。B5判の便せんに、特徴のある丸文字が薄い黒鉛筆で書かれていた。 中学からの友人の男性(25)は報道された金川被告の発言に違和感を覚える。ゲームセンターに行くと、決めた金額