伝統製法で造られた「まるや八丁味噌」の商品(左)と、名古屋市内の企業が製造したGI商品。同容量の販売価格はまるや製が倍以上高いという東海地方を代表する発酵食品・八丁味噌(はっちょうみそ)を巡り、名前の由来である愛知県岡崎市八帖町(はっちょうちょう)の老舗業者が、国を相手取った法廷闘争を繰り広げている。原因は、地域の農林水産物などをブランドとして登録・保護する地理的表示(GI)保護制度。八丁味噌の生産地が「愛知県全域」とされたことに反発、登録取り消しを求めて提訴したが、東京地裁は訴えを退けた。業者側は控訴したものの、本家が「八丁味噌」を名乗れなくなる恐れもある事態となっている。(村嶋和樹) 産地「愛知全域」に平成27年から始まったGI制度は、品質や社会的評価が産地と結び付いている食品や水産物などの特産品に対し、農林水産省が「地名+産品」などで表示されるGIの使用を認め、知的財産として保護する