私も先日まで誤解していた*1のだが、経済評論家の池田信夫氏がGDPギャップに関して勘違いを披露していたので指摘したい。誰かそっと教えてあげてもいいと思うのだが、誰も指摘していないようだ。 GDPギャップの定義は、(現実のGDP-潜在GDP)÷潜在GDPである事は、漠然と理解されていると思う。問題は潜在GDPで、これは「最適労働・資本量」によるGDPではなく、「経済の過去のトレンドからみて平均的な水準で生産要素を投入した時に実現可能なGDP」となっている*2。なお平均稼働率で、平均投入量ではないから、労働力の増減は調整される。 1. 池田信夫氏の勘違い箇所 さて、池田信夫氏のおかしい所を指摘していこう。 動学マクロ経済学では、経済は長期的には潜在GDP(定常状態)に近づくと考え、それと現実のGDPの差をGDPギャップと呼ぶ。 GDPギャップの定義は、既に述べた通り定常状態とは異なるから、この