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ブックマーク / satoshi.blogs.com (62)

  • ZEPPELIN という会社の CTO になりました

    詳しくは、鳥越さんと私の対談記事を読んで頂くのが一番良いのですが、ZEPPELIN という会社の CTO(Chief Technology Officer) に就任しました。私としては、タイトルは CMS (Chief Mad Scientist)が良いと主張したのですが、「会社として対外的な印象も大切なので」と押し切られてしまいました。人間として少し丸くなって来たのかもしれません^^。 ここ3年ほどは、UIEvolution の取締役をしながら、大半の時間は neu.Pen LLC という従業員二人の小さな会社で iPhone アプリを作って来ましたが、VideoShader のZEPPELINとの共同開発をキッカケに、腰を入れた大きな事業を立ち上げて人々のライフスタイルを変えたいという思いが強くなって来ました。 具体的には、放送革命を「モバイル・ライフスタイルに会わせた映像配信ビジネ

  • 「早期退職の誘惑」と「逃げ切りメンタリティ」

    の家電メーカーがグローバル市場で戦えなくなっている原因の一つが、バブル時代に大量に雇った人達の人件費だということは、メルマガでもしばしば取り上げる話題だ。彼らが働き盛り(=アウトプットのピーク)を過ぎた50才以上になり、「アウトプット<給料」な人達が増えて来たことにより、「コストパフォーマンスの悪い企業体」になってしまっているのだ。 「社会常識に照らして不当な解雇はしてはいけない」などという曖昧な法律に守られた彼らを一方的に解雇することも出来ない会社は、早期退職プログラムでなんとか人員整理をしようとしているが、この方法では「外に職が簡単に見つけられる優秀な人たち」が先に辞め、「何とか定年まで会社をしゃぶり尽くそうとする逃げ切りメンタリティ一杯の人たち」が残り、逆に会社のコストパフォーマンスは悪くなる。 日経オンラインに、早期退職の誘惑 50代でも早まってはいけないという記事が出ているが

  • Ruby on Railsの「えせMVC」の弊害

    先日のエントリーでも少し触れたが、Ruby on Railsの最大の問題点は、それが持つ「一見そのフレームワークがMVCの形をとりながら、MVCの最も大切なところを外している『えせMVC』である」点にある。MVC(Model View Controller)がなぜ必要かを根底の部分でちゃんとと意識せずにRailsアプリケーションを作ると、後々ひどい目に会うので注意が必要である。 その意味では「RailsでMVCを学ぶ」などもっての他だし、「JavaにもRailsと同じようなフレームワークを作って業務用アプリの開発を効率化しよう」などという発想もとても危険である。 ということで、今日はまずはMVCの解説から。 MVCの発想の根底には、「モジュール化と情報の隠蔽により、プログラムがスパゲッティ化するの(コード間の相互依存関係が複雑に入り込んでしまってにっちもさっちも行かない状態になること)を避

    cha-cha-ki
    cha-cha-ki 2013/04/09
    うーん。コメント欄含めて、か。
  • 「組織と人と法律」を根本的に変えずに、再稼働などありえない

    ウォールストリート・ジャーナル日語版が原発の再稼働についてアンケートを集めたところ、反対票が92%だったそうである(参照)。 ここまで反対派が多いのは、問題が単なる「100%安全な原発などありえない」という「科学的」安全神話の崩壊から、「日政府には原発のような危険なものは任せられない」という「組織的」安全神話の崩壊に達しているからである。 今回の事故を通して分かった、日の行政機関の欠点を箇条書きにしてみる。 過酷事故への準備を全くしていなかった(それは今でも変わらない) 住民の安全よりも「パニックを起こさない」ことを優先する 東電に変わって事故を収束させる能力など全くない(これから先もない) 放射性物質を含む品の流通を止めることができない 資主義の原則に基づいて東電の破綻処理をすることすらできない これほどの事故が起こったとしても「責任」を取る役人はいない 原子力安全保安院の一番

  • 新社会人のあなたに

    新社会人への私からのメッセージは「サラリーマンにならないで欲しい」というひと言に尽きる。 ここで言う「サラリーマン」とは、 「なぜこの仕事をする必要があるか」を理解せずに仕事をする人 経営陣や上司の言うこと、やることに疑問を持たない人 当事者意識を持たずに仕事をする人 失敗を恐れて、他人のしないことや冒険を避ける人 社内の人とだけ交流し、社外にネットワークを作らない人 社内ばかり見て、自分の社外での人材価値を高めようという努力を怠る人 自分のキャリアパスは会社が描いてくれると考えている人 善悪を自分で判断せずに「まわりの人がやっているかどうか」だけで判断する人 いままでのように、横並びでスペック競争をしていれば良い時代ではなくなった。今年、就職ランキング100以内の企業が10年以内に倒産してしまう可能性だって十分にある。そんな時代だからこそ、常に「なぜこの仕事をする必要があるのか」を意識し

  • AndroidのFragmentation問題とMicrosoftの鶏と卵状態と

    Android の抱える悩みに関しては、Charlie Kindle の「Google Will Abandon Android」に良くまとめられている。Google 自身がハードウェアを出そうと出すまいと 「fragmentation 問題」はついてまわる。それが結果的に Android 向けのアプリケーション開発のコストパフォーマンスの悪さとなり、開発投資への意欲をそいでいる(参照)。iOSデバイスの retina display 対応ですら余計な手間がかかるのに、Android デバイスの fragmentation なんかにはつき合う余裕はない。 この状況は明らかにMicrosoftにとって「付け入る隙」なわけで、このチャンスを逃す理由はないのだが、現時点ではまだ「デバイスの数が少ないからアプリは作らない。アプリがないからデバイスが売れない」という「鶏と卵」状態から脱せていない(参

  • Facebookに学ぶソフトウェアを重視するカルチャー

    のメーカーがソフトウェアを長年軽視してきたことは、ここで何度も指摘しているが、では「ソフトウェアを重視するカルチャー」とは、どんなものだろう。 Mark Zuckerberg が IPO に際して株主に書いた手紙にそれを象徴する文章があるので、ぜひとも読んでいただきたい。 To make sure all our engineers share this approach, we require all new engineers — even managers whose primary job will not be to write code — to go through a program called Bootcamp where they learn our codebase, our tools and our approach. There are a lot of

  • 電子書籍、やはり真打ちは Amazon Kindle か

    某出版社からの情報によると、アマゾンの日での電子書籍の販売は4月からになるとのことである。 そのころになると、「電子書籍を読むにはどのデバイスが良いか」という話が盛り上がると思うので、先んじて私の意見をまとめて書いておく。 まず、「スマフォで十分じゃん」という意見に関しては一理あると思う。確かに、常に携帯しているし、電車の中でも人の邪魔をせずに読める。 しかし、スマフォでを読むとなかなか読書に「没頭」できない。しょちゅうページ送りをしなければならないし、ついメールとかをチェックしたくなってしまう。時間つぶしのためにマンガを読むぐらいならば良いが、来の「読書を楽しむ」感覚には少し遠いというのが正直な感想だ。 次に、iPad。アプリを走らせたり、カラー写真の多い雑誌を読んだり、iBooks Author で可能になったマルチメディア・テキストブックを楽しむのには最高だが、文章がメインの書

    電子書籍、やはり真打ちは Amazon Kindle か
  • 「ファミレス型ソフトウェア開発」ではアップルには勝てない

    私のWEB+DB PRESS向けのコラム「Appleのビジョンと日のハードウェアメーカーの将来」が公開されたので紹介する。私が一番強調したいのは、 他社と横並びでスペック競争をする時代は終わった。総合家電メーカーというビジネスモデルはもう成り立たない。ハードウェアは自分たちで作り,ソフトウェアの開発は外注に丸投げするのでは世界で戦えるデバイスは作れない。 という部分。 自らバリバリとソフトウェアを開発したことがないメーカーの正社員が仕様書を書き、実際の開発は子会社や関連会社に任せる上に、その子会社においても実際のコーディングは派遣社員が行うというゼネコン型ソフトウェア開発。これでは、社から送られて来たレシピどおりにパートの人たちが料理をしているファミレスと同じだ。 一流シェフたちが腕を競う高級レストランのように、シリコンバレーのトップクラスのソフトウェア・エンジニアたちが、自ら仕様を決

  • Life is beautiful: 優秀なナースがいるとシステムがなかなか改善されないという話

    「Why hospitals don't learn from failures(なぜ病院は失敗から学ばないのか)」という論文を読んでなるほどと思う部分があったので、ここにメモ代わりに書いておく。 この論文の筆者(TuckerとEdmondson)は、医療ミスがなかなか減らない原因を探るために、全米の10の病院を長期間に渡って調査・研究したのだが、その結果判明したのは、「システムの改善」という観点からは、ナースの優秀さと勤勉さが逆効果になっているという皮肉な話。 「優秀なナース」の定義はどこでも同じで、「目の前の患者が必要としているものを、あらゆる障害を乗り越えていち早く提供する」こと。取り替えるべきシーツが不足していれば別の階に走って行って調達してくるし、新米のナースのミスにはいちいち噛み付くこともなくそのミスを取り繕う。そんなナースたちにとっては、その手の「不具合」や「障害」は避けられ

    cha-cha-ki
    cha-cha-ki 2012/01/15
    2007年の記事。
  • スティーブ・ジョブズに学ぶプレゼンの秘訣

    ベスト・セラー「スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン」の著者で、Business Week のコラムニストでもある Carmine Gallo が書いた "10 ways to sell your ideas the Steve Jobs Way!" という資料を手に入れたので、簡単に内容を紹介する。 1. 最初は手書きで考えをまとめろ いきなりパワポの資料を作らず、まずは紙やホワイトボードなどで(訳注:neu.Notes+ でももちろんかまわない^^)、プレゼンの大まかな「流れ=ストーリー」を作るべき。つまらないプレゼンでは、観客はすぐに飽きてしまう。語るべき「ストーリー」がないうちにパワポの資料を作っても意味がない。 2. Twitter 向きの短いフレーズを使え Twitter の「口コミ効果」に関しては、いまさら強調するまでもないが、それを最大限に活用するには、140字以内に収まる

  • AirPlay と AirPrint をサポートした neu.Notes+ 1.8

    多くのユーザーの方々からの要望にお答えして、neu.Notes+ 1.8 に AirPlay と AirPrint の機能を追加したので報告する。 AirPlay を使えば、iPhoneiPad をWiFi経由で AppleTV に繋いで、neu.Notes+ を使ってプレゼンができる。AirPlay を使うには、neu.Notes+ を立ち上げ後にホームボタンをダブルタップする。すると、現在バックグラウンドで実行中のアプリのアイコンが画面下部に表示されるので、その部分を左にスクロールして行くと、下の図のようなAirPlay アイコンが表示されるので、それをタップし、Apple TV を選んだ上でミラーリングを「オン」にする(ミラーリングをサポートしているデバイスに関しては、ここを参照していただきたい)。 AirPrint は、AirPrint をサポートしたプリンターに対し、WiF

    AirPlay と AirPrint をサポートした neu.Notes+ 1.8
  • Android OS のアップデート問題に関してひと言

    最近、再びAndroid OSのアップデート問題が話題になっているようだが(参照)、OSの開発の関わったことのある開発者としてひと言言わせてもらう。 OSの開発というのはただでさえ簡単な仕事ではないが、特に難しいのは過去のアプリとの互換性を保ちながらOSそのものを進化させて行くという仕事Windows95の開発の際も、一番苦労したのは、スタートメニューだとかデスクトップなどの新機能の追加ではなく、Windows 3.1との互換性を保つ部分。その当時のエピソードは、少し前の「Windows95と地上の星」というエントリーに書いたので一読いただきたい。 今回の話は、さらに厳しい要求だ。iPhoneのように一社がデバイスの仕様すべてとリリースタイミングをコントロールしているならいざしらず、Androidのように複数のメーカーが、それぞれの仕様でばらばらのタイミングでデバイスをリリースしている世

  • 携帯型ゲーム市場の大幅シフトと据え置き型ゲーム市場の未来と

    近いうちにAppleApple TV で据え置きゲーム市場に殴り込みをかける、という予想を以前このブログに書いたが(参照)、その前哨戦でもある携帯型ゲーム市場に関するレポートがPocket Gamer に書かれていたので紹介する。 「Rise of iOS and Android halves Nintendo DS game revenue in US in 2 years」という記事だが、驚異的なのはゲーム・ソフトウェア市場がわずか3年の間にこれほどまでに大きくシフトしてしまったこと(左の表)。 ゲームの乱造でアタリと同じ道を歩むに違いないと批判する人もいたiOSとAndroid向けのゲームの市場だが、ついに、Sony PSPとNintendo DSを合わせたゲーム市場よりも大きくなってしまったのである。 この記事によると、2009年から今年に向けて、前者の市場は、$500 mil

    携帯型ゲーム市場の大幅シフトと据え置き型ゲーム市場の未来と
  • UIEジャパン:「おもてなし設計」という仕事

    私が2000年にシアトルで起業したUIEvolution Inc.。「パソコンや携帯電話だけではなく、テレビや自動車や冷蔵庫やクレジットカードもネットに常時接続している時代が来る」というビジョンのもとに始めた会社だが、11年たってようやくそんな世の中が現実味を帯びて来た。 ビジネスそのものは、時代の要望に答えてソフトウェアのライセンスから、ソリューション・サービスまで幅広く提供して来たが、最近伸びているビジネスが「おもてなし設計」。 もとはと言えば、米国でソリューション・サービスを提供している際に、しばしばIDEOやFrog Designがパワポやフラッシュで作ったプロトタイプを要求仕様書として渡されることがあるのだが、モバイルUIのことが全く分かっていない人が作っていて使い物にならなかったり、実装が現実的ではないUIが描かれていたりすることが頻繁で、結局うちがユーザー・エクスペリエンスの

    UIEジャパン:「おもてなし設計」という仕事
  • UIEという会社のミッション

    先日の「UIE Japan 新オフィス紹介」というエントリー。あのエントリーを書いた一番の目的は人材募集だったわけだが、狙い通り続々と採用応募の問い合わせが入っている。やはり持つべきものはブログだ。 もう一押しするために、UIEが現在どんなビジネスをしているか紹介しよう(UIE設立のプロセスとか、スクエニによる買収の経緯などは別途メルマガに書く予定←こっちはメルマガの宣伝)。 会社のビジョン(目指すべき世界)に関しては、ここでも何度も述べて来た様に「これからは私たちの身の回りのものすべてがネットに繋がる。そんな時代にはアプリのダウンロードだとか、ブラウザーでサーフィングなどとはまったく別の形で、テレビのチャンネルを変えるぐらいに簡単に、携帯電話から冷蔵庫のドアに至るまであらゆるところで、アプリケーションやサービスが自在に使えるようになるべき」というもの。この点に関しては、2000年の創業以

  • Steve Jobsの三つの偉業と現実歪曲空間と

    Steve Jobsの引退が正式に決まったそうだ(参照)。これからは会長として新CEOのTim Cookをサポートする役に回るとのこと。 Steve Jobsの功績はいくつもあるが、特に注目すべきは、次の三つ。 一つ目は、iPod/iPhone/iPadというすばらしい商品を作り出し、多くの人たちのライフスタイルを大きく変えたこと。Jobsの徹底的なまでのこだわりとリーダーシップがなければ、あれだけの完成度の商品は作れなかっただろう。 二つ目は、違法コピーで悩んでいた音楽業界を説得し、オンラインで音楽を売るという新しいビジネスモデルを成立させたこと。これはJobsの現実歪曲空間とまで呼ばれる交渉力のたまもの。 三つ目は、倒産寸前だった会社をライバルのMicrosoftから資金を引き出すというウルトラCで救済した後、全米一の株価総額を持つまでの株主価値を生み出した事。 このうちどの一つを達成

    Steve Jobsの三つの偉業と現実歪曲空間と
  • HPの英断。日本のメーカーは?

    HPがいくつかの重要なアナウンスメントをした(参照)。 利益率の低いPCビジネスのスピンアウトを検討していること タブレット・スマートフォン市場からの撤退 Autonoy Corpの買収 数年前にPCビジネスを売却したIBMを彷彿させる話だが、売り上げは会社全体の3分の1を上げながらも、利益率がわずか 5.4% しかないPCビジネスを思い切って切り話す(会社全体の利益率は11.7%)というのは株主利益を最重視するのであれば当然とも言える。 PCビジネスそのものが、スマートフォンやタブレットビジネスに脅かされている今、HP自身がその新しい市場でリーダーシップを取れない限りは利益は上げられない。それを目指したのがPalmの買収であり、TouchPadのリリースだったわけだが、TouchPadが全く市場に受け入れられないことが明らかになった今(参照)、グダグダと無駄な抵抗をせずに、タブレット・ス

  • Google+Motorola: Microsoftは「当て馬」だった

    先週、「MotorolaがWindows Phone陣営に乗り換える可能性を示唆」というエントリーに書いた通り、あの手のアナウンスメントにはだいたい何か裏の事情がある。 そして今日、GoogleがMotorolaの携帯電話部門を買収することがアナウンスされ(参照)、その裏事情が何であったかが明らかになった。あれは、MicrosoftGoogleを競争させて価格をつり上げるための牽制球だったのだ。 Microsoftが実際どの程度Motorolaとの話をしていたかは不明だが、1ドルでも高く売りたいMotorola側としてはGoogleから買収の話が来た時点でわざわざMicrosoftを「当て馬」として引きづり出して競争させようとするのは当然。あのアナウンスメントは、Microsoftに向けたラブコールでもあり、Googleに対する「早く良い条件で結婚を申し込んでくれなきゃ、他の人と浮気しち

  • 小論文募集「私のキャリアパス」

    メルマガ「週刊 Life is Beautiful」を始めることにしたことは先日書いたが(参照)、このメルマガをどんなものにしたいのか/するべきかをここ2〜3週間ほどずっと考えて来た。 ブログを補足する形で、単にブログに書きにくいこと/書けないことを書く、というのも一つの方向だが、それだけで「有料メルマガ」のおもてなしとするのは、どうも間違っているような気がするのだ。もちろん、マイクロソフト時代の社内での争いの話とか、PhotoShareがなぜビジネスとして成功しなかったか、などの「ここでしか書けない話」というのは読者を引きつけるという面では効果的かも知れないが、それだけに頼った紙面作りでは「ゴシップ紙」のようになってしまう。 やはり「私にしか書けない」もので、かつ「読者にとってお金を払ってでも読む価値のあるもの」を書いていかなければ、継続して読んでいただく事はできないし、ビジネスとしても