老いれば自分が何者か、どれほどの者かがだいたい見えてくる。 意外な自分を「発見」して驚いた、という若いころのような胸の高鳴り、 ちっともない。 意外な自分を感じることは滅多に(というよりほとんど)ない。 ーーーーー いつだったか平野啓一郎さんという作家の「分人」という人間の見かたを聞いて 興味を感じ、 『「生命力」の行方―変わりゆく世界と分人主義』 という本を読んだ。 が、私には難解だった。わかりにくかった(で、おすすめしません)。 ーーーーー ちなみに「分人」について、本にはこうあった。 【引用】 「「人には色々な顔がある」と慣用句的によく言われるように、個々人の中の分人の存在には、 誰もが気づいていた。 しかし逆説的だが、「人には色々な分人がある」にも拘わらず、実際は「たった一つの顔しかない」。 どんなに多様な人格があっても、たった一つしかない顔のせいで、結局はすべて一人の人間へと 統