なぜ今、「体験」が重視されているのだろう。それはきっと、ここ十数年のうちに私たちの生活が「情報」に寄りすぎたからだ。情報のインプットだけでは得られない価値が世界にはあり、「体験」はそれを補填しうる。 にもかかわらず、データという武器を手に入れた私たちは、可視化できないものをないがしろにしてはいなかっただろうか。言葉にならず数字にもできない感動が、体験の中には眠っているというのに。 「コスパ」の意識からは得られないものがある――2019年4月17日に開催された、最先端のCX(顧客体験)に向き合うカンファレンス「CX DIVE」において、そんなことが語られた。 「THE SEAMLESS WORLD」がテーマとなった本イベント。最後を飾るクロージングセッションでは、広告とコンテンツの境界や、コミュニケーションの未来について5名のゲストが意見を交わし合った。 スピーカーはクラシコムの青木耕平氏、