ワクチン後遺症には、器質的な疾患が隠れていることはないのだろうか。筆者は、この点に重きをおき、ワクチン接種後に長期間の遷延症状を訴える6人の中・高校生を対象に、唾液からのウイルスの検出、血中ホルモンの測定、自己抗体の検出を試みた。 全員において、倦怠感や頭痛など多彩な症状が2年以上継続しており、完治したのは1人のみであった。通学が困難となり、全員が長期の不登校を経験し、休学や退学した例もあった。4人の唾液中から、高濃度のヒトヘルペス6(HHV6)DNAが、2人の唾液中からはEBウイルスDNAが検出された。ウイルスの検出に加えて、症例1からはUBF抗体、症例2からはAMA-M2抗体が検出された。 慢性疲労症候群では HHV6やEBウイルスの再活性化が報告されている。ウイルスが検出された5例は、倦怠感を主とする多彩な症状を考慮して慢性疲労症候群と診断した。ウイルスが検出されなかった1例は、血中