「遺伝的な寿命」、実はうんと短い 16年、米国の研究チームが「人類の年齢の限界は115歳」という論文を科学雑誌「ネイチャー」に発表しました。これまでの人間の最高齢記録を分析したところ、1960年ごろには110歳前後に、90年ごろには115歳前後に伸びましたが、それ以降は伸びが鈍化している。記録上、最も長生きしたのは97年に122歳で亡くなったフランス人ジャンヌ・カルマンさんですが、この人は例外中の例外らしい。日本でもこれまでに115歳を超えた人は10人もいない。このあたりが生理的限界、という説には説得力があります。 だけど、私は「遺伝的に定められた人間の寿命」はずっと短く、55歳程度ではないか、と考えています。この年齢あたりから、癌で死ぬ人の数が急増するからです。癌は、細胞分裂時にDNAの複製エラーが生じることで発生します。人体にはエラーを防ぐさまざまな仕組みや、癌化した細胞を排除する免疫
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