本来、私たちは、仰向けの状態から起き上がると、一時的に、血液は下半身にたまりますが、健康な人は自律神経が働くため、下半身の血管が収縮し、すぐに全身に血が行き渡ります。 ところが、起立性調節障害の場合、下半身に血液がたまっても自律神経の働きが悪く、全身に血液が行き渡りません。このため、脳の血液が不足し、めまいや、吐き気、頭痛などの症状が現れやすくなり、起きられません。体が大きく変化する思春期に多く、日本小児心身医学会によると、“中学生の10人に1人”いるとされています。知佳穂さんは「体位性頻脈症候群」というタイプで、著しく心拍数が上がるのが特徴です。 どんな生活になるのか。本人と家族の了解を得て、学校が休みの日を取材しました。 ――午前9時。アラームが鳴っても、起きられない知佳穂さん。午前11時、母親が部屋へ行きます。 母親 「知佳穂さん(午前)11時だよ、知佳穂さん、携帯ここにある。アラー