今月に入ってから、体罰に関する報道が相次ぎ、あらためて体罰に注目が集まっている。学校全体の体罰問題を考えるため、そもそも体罰とはどんな問題なのかを児童精神科医にうかがったうえで、教員やフリースクール関係者に取材した。 体罰による影響そもそも、体罰を受けた子どもにはどんな影響があるのだろうか。児童精神科医・高岡健さんは、体罰を受けた影響は大きく2つあると指摘する。 一点目は「なんらかの理由を説明されて暴力を受けるため、体罰は本人の自尊心をズタズタにしてしまう」という点。 二点目は「自尊心を奪われた人は、自身も体罰をふるってしまう危険性がある」という点。 児童精神科医・高岡健前者は自傷や自殺につながり、後者は体罰の連鎖から他害へとつながる。これらが、いかなる理由があれ体罰が問題である根拠だと、高岡さんは指摘する。 体罰は2年連続減文科省が発表した「体罰の実態把握について」によると、2015年度