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ブックマーク / jun-jun1965.hatenablog.com (8)

  • 西村伊作伝 - jun-jun1965の日記

    黒川創が『考える人』で西村伊作伝の連載を始めた。私の友人の加藤百合さんは、修士論文が伊作伝で『大正の夢の設計家』(朝日選書)として出ており、その後田中修司という人が東大で『西村伊作の楽しき住家』(はる書房)で工学博士号をとっている。この人は高校教師だから、いわば在野の研究者だ。上坂冬子にも、伊作の娘たちを描いた『愛と反逆の娘たち』(中公文庫)があって、私は加藤さんのしか読んでいないが、とりあえず伝だから、残念ながら初の伝ではない。黒川はまだこれら先行研究には触れていないが、私なら第一回で、伊作伝はこれこれがある、と書いておくがね。学者じゃないからそんなものかな。 ところで一ヶ月ほど前に近所の図書館で川三郎とすれ違ったのだが、ひどく疲れた顔をしていて、どうしたのだろうと思っていたら、奥さんが死の床にあったのだね。 昨日の毎日新聞に、批評雑誌の創刊についての記事が出ていた。東浩紀と北田暁大の

    西村伊作伝 - jun-jun1965の日記
  • 世界連邦において警察力の行使は戦争になる - jun-jun1965の日記

    先日駒場へ行ったら、共産党のビラがあって「戦争でテロは止められない」とあった。じゃあどうやって止めるのかと思ってよく見たら「警察による逮捕と裁判」とあったので内心で苦笑した。オサマ・ビンラディンが麻原彰晃のように簡単に逮捕できるなら戦争になんかなっていないよ。 そもそも、反政府勢力の力が一定以上に大きければ、警察力の行使は戦争になる。日でいえば西南戦争だ。かつて世界連邦構想というのがあったが、これはまさに日国憲法前文の「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して」できたものだ。仮に世界連邦ができたら、単に戦争が内戦と名を変えるだけであることは、現在では常識だと思っていたよ。世界連邦運動なんて、まだあることが驚きだ。 - 水谷尚子さんの新刊『中国を追われたウイグル人』(文春新書)は、『諸君!』に掲載されたものをもとに加筆したもので、水谷さんは今の日で最も精力的に、ウイグルの民族運動のシナ

    世界連邦において警察力の行使は戦争になる - jun-jun1965の日記
  • 逃げたな、中島岳志 - jun-jun1965の日記

    http://www.indo.to/log/nakajima/?itemid=910 ついに一ヶ月。中島岳志は私の批判には一切答える気はないようだ。『SAPIO』では小林よしのりが第二弾の攻撃をしているし、『パール判事』については中島の完敗というところだな。しかしまあ、『ランティエ』に載せた私の文章を再掲しておこう。掲載時に紙幅の関係で少し削ったので、そこは復元されている。 安倍晋三総理が、インドのパル判事の遺族を訪ねたというニュースが流れた時は、やれやれ、またパル判事かと思ったものだ。東京裁判でただ一人、A級戦犯全員の無罪判決を出し、戦勝国が敗戦国を裁くこと、事後立法遡及の法的不備を指摘し、西洋諸国の植民地主義をも批判した人だ。まあ、総理としては、靖国神社へのA級戦犯合祀の件でのシナ、韓国への牽制というところか、と思っていたら、中島岳志の『パール判事』(白水社)というが出た。中島は若

    逃げたな、中島岳志 - jun-jun1965の日記
  • 荻上チキの正体 - jun-jun1965の日記

    九月にここで、ちくま新書が出たら荻上チキの実名を明かす、と書いたら、ほどなくチキから、やめてほしいという懇願メールが来た。会社で仕事をしているので、顧客などに知れるとまずい、というのだ。 チキは私が小山エミと論争している時に、「小谷野さんがぐずぐずになっている」と書いているし(私はぐずぐずになどなっていない)、林道義をも批判しているから、匿名批判は卑怯だという考えのもと、明かすべきだと思うのだが、一点、躊躇されるのは、私がチキの実名を知っているのは、当人がを送ってきた時に封筒の裏に書いてあったからで、当人が知らせてきたのを、当人が嫌がっているのに明かすのは、どうか、と思うからだ。もっとも当人は、封筒の裏に書いたことは忘れていたらしく、筑摩書房から聞いたと思ったらしいが、それは個人情報保護法違反だから、ない(筑摩の編集者とはもちろん時々電話で話すから、「名知ってるんですが、明かすとまずい

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  • 愛国戦隊大日本 - jun-jun1965の日記

    製作当時、『アニメック』で、池田憲章の連載のパロディーとして書かれた文章で知ったとき以来、初めて現物を見た「愛国戦隊大日」である。 しかし時は流れた。もはや、右翼といえば反共という図式が成立しない。ロシヤはもはや社会主義国ではないし、佐藤優のようなロシヤのスパイの右翼も登場した。 しかし蓑田胸喜に関心が集まったり、片山杜秀のが出たりして、思うのは、 「かっこいい右翼」 VS 「凡庸な保守派」 という変な対立ができつつあることで、前者は要するに北一輝、石原莞爾、蓑田、頭山満、杉山茂丸などを論じ、小室直樹などを尊敬していたりする。後者は、新しい歴史教科書をつくる会とその周辺である。 私の若い頃から、前者への崇敬の念のようなものはある程度あって、自民党なんかとは違う右翼があるんだ、という雰囲気があったが、松健一などもその辺の先駆だろう。格的には福田和也が前者を広めたわけだが、最近では後者

    愛国戦隊大日本 - jun-jun1965の日記
  • 高学歴ワーキングプア - jun-jun1965の日記

    半分くらい読んだ。三流大学の大学院で博士号をとっても就職がないという話。ただし著者は九大で博士号をとっているから三流ではない。東大で博士号をとってすらないんだから、そりゃあるわけがない。 しかし、東大の仏文あたりで大学院へ行きたいなどと言えば、「将来がないから」と言って教員が止めるものだが、三流大学では定員を満たすために引き込む、という話は初めて聞いた。 あとこういうのもある。たとえば日女子大を出て東大の大学院へ来た人が、日女子大で採用されるという話。著者は、まるで東大を出て東大院へ行くのが最も有利であるかのように言うが、そういう事例もある。東大で採用されるのは難しいから、そういう事例を見ると、下手に学部が東大であるために損している人がいる、と感じる(もちろん、優秀であれば、の話。東大では採用されなくても母校で採用される)。ただし、私がいた阪大の言語文化研究科で、そこの院修了者を採用す

    高学歴ワーキングプア - jun-jun1965の日記
    chaturanga
    chaturanga 2007/10/28
    「専任のある者の非常勤アルバイトを禁止する」名言だ
  • 宮台真司の不法行為 - jun-jun1965の日記

    東大文学部図書室に、宮台真司が返却していない図書一覧 ・M.メルロー=ポンティ『知覚の現象学』みすず書房, 1967-1974 ・山啓『ハーバマスの社会科学論』勁草書房, 1980 ・ユーリー・スチェパーノフ『記号論入門』勁草書房, 1997 ・川島武宜『日人の法意識』岩波新書, 1967 ・丸山真男『日の思想』岩波新書, 1961 ・ノーム・チョムスキー『知識人と国家』ティビーエス・ブリタニカ, 1981 ・フィリップ・G.ジンバルドー『シャイネス』勁草書房, 1982 ・芹川博通『都市化時代の宗教』東洋文化出版, 1984 ・J.H.ヴァン・デン・ベルク『引き裂かれた人間引き裂く社会』勁草書房,1980 ・鈴木幸寿『社会学史』学文社、1972 ・池上嘉彦『「する」と「なる」の言語学』大修館書店、1981 ・『現代フランスの思想』不明 ・『民法総則』不明 なんだ、洋書をたくさん借り

    宮台真司の不法行為 - jun-jun1965の日記
  • 深沢七郎異聞 - jun-jun1965の日記

    「週刊現代」の書評で枡野浩一さんが、「悲望」は芥川賞候補になるだろうと思って知人の有名書評家も同意してくれたがならなかった、と書いてくれた。この書評家は豊崎さんかな? まあ、お悔やみありがとうございます・・・。 芥川賞や直木賞の候補になって落選した人の怨恨や無念はよく聞くが(筒井康隆、吉村昭、車谷長吉−筒井は直木賞選考委員皆殺し小説を書き、車谷は芥川賞選考委員に丑の刻参りをしたと書いた)、候補にもならないと、はあさいざんすか、お呼びでない、こりゃまた失礼いたしました、ってな気分になる。 実は芥川賞史上、村上春樹とか津島佑子とか、大物が受賞していない例は多いが、候補にさえならなかった、という大物がいる。深沢七郎である。深沢の「楢山節考」は各方面絶賛だったのに、ならなかった。処女作だから、というのでないことは、その直前に、文學界新人賞をとった石原慎太郎がそのまま芥川賞まで突っ走ったのをみれば、

    深沢七郎異聞 - jun-jun1965の日記
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