北海道小樽市で小学生の通学風景を眺めると、あることに気づく。ランドセルの児童が少ないのだ。代わりに、リュックサックのような共通のデザインのかばんを背負っている。赤、青、黄……。色とりどりのこの通学かばんは「ナップランド」と呼ばれ、小樽で生まれて今年50周年を迎えた。今ではインターネット販売や観光客にも人気が広がりつつある。半世紀にわたって愛される理由とは。 軽い・丈夫・お手頃=ナップランド 小樽市内の市立小学校で4月6日、入学式があった。新型コロナウイルスの感染拡大で全国に緊急事態宣言が出される前の、つかの間の登校。校庭には元気よくあいさつする新入生の姿が見られた。新1年生の原田怜旺(れお)くん(6)は黒色のナップランドを誇らしげに背負うと「これで学校へ行って、勉強をがんばりたいです」と笑顔だった。 ナップランドは、市内の二つのかばん店で売られ、新入生の6~7割が買っている。重さ約660グ