伴読部に関するchiguiのブックマーク (29)

  • 第9回:『渋滞学』西成活裕 - 「あれも、これも」

    今回はast15さんの指定。渋滞学 (新潮選書)作者: 西成活裕出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2006/09/21メディア: 単行購入: 7人 クリック: 98回この商品を含むブログ (146件) を見る 面白かった!車の渋滞のみならず、人、アリ、情報……などが、スムーズに移動できずに滞ってしまう現象を解明していく「渋滞」に関するオムニバス。 一番面白かったのは第3章「人の渋滞」。人間が多数集まると、自由が抑制されて単純な鼓動しかとれなくなる。もしその集まりが「共通の関心や注意を引く対象にむかって特定の場所に集まった諸個人の一時的、偶発的な集団状態」となれば「群集」であり、群集の状態は動因によって3つに分類される。興味対象への直接行動には訴えず、受動的関心から集まっているものを会衆、強い感情状態に支配され、敵対する対象に直接暴力的に働きかける「モッブ」、そして収拾しがたい混乱に陥

    chigui
    chigui 2012/12/28
    なむさんの読んで、自分のあの読後感の原因が明瞭になった。てか自分の見方・思考に齟齬あるっぽい/面白いのに、同時に興趣を削がれてた。実用性がことに強調されることで。でもこれちょっとオカシイかも…うーむ。
  • 第9回:『渋滞学』西成活裕 - chiguiのブログ

    渋滞は、でもやっぱり巻き込まれたくはないね。 渋滞学 (新潮選書) 作者: 西成活裕出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2006/09/21メディア: 単行購入: 8人 クリック: 100回この商品を含むブログ (147件) を見る 渋滞と言うとふつう車のそれを指すけれど、世の中にはいろいろな「渋滞」がある。大勢の人が一時に同じサイトにアクセスしたりケータイで電話をするとパケットや電波が輻輳、つまり「渋滞」してとても繋がりにくくなる。心不全によって心臓の動きが悪くなると血液がうまく流れず「渋滞」を起こして、放っておくと血してしまうし、血管内部にコレステロールが溜まって径が細くなると酸素を運ぶ赤血球が通りづらくなり「渋滞」が起こる。死蔵と言えるような貯金はマネーフロー的には「渋滞」。頭や心も「渋滞」と呼べる状態があるかもしれない。 渋滞という現象はいわゆる「複雑系」である。複雑系は、様々

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  • 伴読部 第9回『渋滞学』 - けれっぷ彗星

    伴読部のスタートのとき、「理系っぽいセレクトもあったらな」という話があったような気がしていて*1、確かにそれも一理あるな、などと思いつつ、『熊から王へ』みたいな境界分野でノラリクラリしていたわけだ。ので、ここは一発、前提知識がなくても楽しめる理系セレクトにしてみよう、と思い立った次第であります。 渋滞学 (新潮選書) 作者: 西成活裕出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2006/09/21メディア: 単行購入: 8人 クリック: 100回この商品を含むブログ (147件) を見る 「理系」とは考え方である 理系の読み物といえば一番信頼しているのは当然ブルーバックスだけれども、読み応えと切り口、ハズレのなさで言えば化学同人選書だったりする。『地球温暖化の予測は「正しい」か?』とか『世界初!マグロ完全養殖』とか、一定のクオリティを持って、科学がその持ち味を活かせる切り口でパッケージングしてく

    伴読部 第9回『渋滞学』 - けれっぷ彗星
    chigui
    chigui 2012/12/24
    なる、ほど。そういう読み方楽しみ方…「研究の追体験」て、前回で言う『新しい世界史へ』の視点を持ちつつ『東インド会社とアジアの海』を読む感じに近いのかも…? ちょっと『ウナギ大回遊』で試してみる。
  • 第八回:『東インド会社とアジアの海』羽田正 - 「あれも、これも」

    東インド会社とアジアの海 (興亡の世界史)作者: 羽田正出版社/メーカー: 講談社発売日: 2007/12/18メディア: 単行購入: 2人 クリック: 32回この商品を含むブログ (23件) を見る うーん、とにかく懐かしかった。指定は赤亀さん(id:chigui)。 東インド会社から歴史を語る。といっても視座は固定されておらず、イギリス、フランス、オランダの東インド会社、あるいは中国、インド、日など、多角的となっている。ということもあって、ちょっとついていけなかった。というのも、それぞれはなかなか面白いのだけれど、勉強の嫌いな僕は高校生のときにまともに授業なんて受けていなかった。そのため世界史・日史の大まかな流れすらわかっていない。大きな流れを追うことも楽しいのは、知って入るものの、どうにも面倒になってしまって、個々の魅力的なエピソードのみを、部分部分で知識としてある程度。だから

    chigui
    chigui 2012/10/31
    不慣れ・不得手な分野に対してそういう感触・印象を得られたのなら実際御の字!だと思う。>歴史を読み直すことの面白さは感じた。/こちらこそ毎度冗長文で相済いません。
  • 伴読部 第8回 『東インド会社とアジアの海』 - けれっぷ彗星

    国でも時代でもなく、東インド会社という切り口が秀逸。 今回は赤亀さんの推薦で、あまり慣れない「歴史」に挑戦することに。 東インド会社とアジアの海 (興亡の世界史) 作者: 羽田正出版社/メーカー: 講談社発売日: 2007/12/18メディア: 単行購入: 2人 クリック: 36回この商品を含むブログ (22件) を見る 僕の歴史の知識は中学生レベルだけれども、どの辺りの歴史が好きかといえば、日史なら江戸時代、世界史だと第一次世界大戦。江戸時代だと、幕府がいかに外様大名に反乱を起こさせないように、参勤交代やらせたり、地方の土木工事させたりするのとか、安定性を保たせるような仕組みづくりのあたりがすごくおもしろいなーと思っていた。第一次世界大戦だと、技術革新による「戦争」の意味合いのシフトとか、植民地を巡る利害対立とか、そういういくつもの意味合いが絡みあう感じがとても好きで。 戦国時代とか

    伴読部 第8回 『東インド会社とアジアの海』 - けれっぷ彗星
    chigui
    chigui 2012/10/30
    ほぼ同意>「歴史を学ぶことは…」の項/歴史は正当性とか箔付けのための道具じゃなくて、「過去を視る」ことが「今を視る」ことにもなるという不思議の装置。だと思う。
  • 第8回:『東インド会社とアジアの海』羽田正 - chiguiのブログ

    緯(よこいと)で立ち上がる世界史―あるいは歴史叙述とか「グローバル社会」とか。 東インド会社とアジアの海 (興亡の世界史) 作者: 羽田正出版社/メーカー: 講談社発売日: 2007/12/18メディア: 単行購入: 2人 クリック: 36回この商品を含むブログ (22件) を見る 唐突だが、400年前の日列島にはまだ「日」はなかった—と言うとちょっと不思議な感じもするけれど、当時の日列島は江戸幕府成立直後、しかし同じ日列島であっても北海道にも沖縄にも江戸幕府の手はまだ届いていなかった。たとえばそういう意味で、現在の「日」と当時の「日」は必ずしも一致するわけじゃない。 17世紀初頭の世界地図を眺めてみると、「日」だけでなく「アメリカ合衆国」も、「中華人民共和国」も、「ロシア連邦」も「大韓民国」もなかった。というよりその実、どこを見てもいまある「国家」は1つもなかったし、国と

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  • 伴読部 第7回 『エンジン・サマー』 - けれっぷ彗星

    文明崩壊の後、<しゃべる灯芯草>が語るモノローグ。 今回はなむさんのセレクト回です。 エンジン・サマー (扶桑社ミステリー) 作者: ジョンクロウリー,John Crowley,大森望出版社/メーカー: 扶桑社発売日: 2008/11メディア: 文庫購入: 37人 クリック: 234回この商品を含むブログ (103件) を見るBGMはずっとこれでした。 最後のオチを見て、「あ」となる選曲だけども。 「自然と人工」としての小春日和 ミクロ版「地球の長い午後」というところだろうか。文明が崩壊し、高度技術が失われた後の世界では、人類が細々と暮らしている。という設定的な意味でもそうなんだけど、どちらかと言えば、自然が人工物を覆い尽くしつつある、というような情景として。 森は強い。世界はのろいけれど強い。サービス・シティが森に呑まれてゆくにつれ、<道路>も川の流れに呑まれ、冬に壊されていく。そしてベ

    伴読部 第7回 『エンジン・サマー』 - けれっぷ彗星
    chigui
    chigui 2012/09/09
    事実「あ」となった(苦笑)CD買っちゃった>Fennesz「Endless Summer」/わかったかも…記憶に対してなむさんは「風化」、ast15さんは「喪失」と言う―たぶんこのちがいだ。前提になってる記憶の“在り方”がちがうのかも。
  • 第7回:『エンジン・サマー』ジョン・クロウリー - chiguiのブログ

    このお話には<空の都市>と呼ばれる空中庭園が出てくる― エンジン・サマー (扶桑社ミステリー) 作者: ジョンクロウリー,John Crowley,大森望出版社/メーカー: 扶桑社発売日: 2008/11メディア: 文庫購入: 37人 クリック: 234回この商品を含むブログ (103件) を見る ―のだけど、どうしても「天空の城」のイメージになってまうなあとちょっと困っていたら唐突に「ラピュタ」なる名が出てきてびっくりした。ウィキッてみれば、もともとは『ガリバー旅行記』に「空飛ぶ島・ラピュータ」が出てくるのであって(ちなみにこの島は太平洋沖に浮いていると思われる)、宮崎駿もここから名前だけ借用した―と知って2度驚いた。 今回はast15さんふうに。 もし野島一成が『エンジン・サマー』を読んだら FFXになる。『エンジン・サマー』で描かれている数千年先の未来の姿は、スピラだ。 ファイナルフ

    第7回:『エンジン・サマー』ジョン・クロウリー - chiguiのブログ
  • 第七回:『エンジン・サマー』ジョン・クロウリー 大森望訳(再読) - 「あれも、これも」

    過去に読んだことのあるをセレクトすることに抵抗を覚えつつも、『ヴァギナ 女性器の文化史』『メモリー・ウォール』に接続できるを考えたとき、真っ先に『エンジン・サマー』が思い浮かび、季節が夏であることもあり、このを指定しました。エンジン・サマー (扶桑社ミステリー)作者: ジョンクロウリー,John Crowley,大森望出版社/メーカー: 扶桑社発売日: 2008/11メディア: 文庫購入: 37人 クリック: 229回この商品を含むブログ (101件) を見る 現代の僕たちが暮らす文明の延長線上にある未来の文明が滅び、その文明を生き延びた人たちの子孫が暮らしている世界がこの小説の舞台。つまり僕らの未来の世界の、さらにまた未来ということ。さて、どうしてこのをセレクトしたのか。 『ヴァギナ 女性器の文化史』は文化人類学的な解釈を多用しただった。僕は文化人類学に神話の解釈をする学問とい

    chigui
    chigui 2012/09/09
    あー…もともと夏って季節がはじめから思い出にされてるというか。>でも小春日和…まさに夏だと思うんですよね。/言っちゃった(笑)>ストーリーはそんなに魅力的じゃないと思う
  • EXTRA:『贈与論』マルセル・モース 吉田禎吾、江川純一訳 - 「あれも、これも」

    今まで伴読部で読んできたなかで、浮かび上がってきた『贈与論』を、誰が指定するでもなく、読んでみようということになりました。というわけで今回はEXTRAです。贈与論 (ちくま学芸文庫)作者: マルセルモース,Marcel Mauss,吉田禎吾,江川純一出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2009/02メディア: 文庫購入: 11人 クリック: 43回この商品を含むブログ (57件) を見る 『贈与論』は、何年も何年も、何度も何度も読み切ろうと挑戦しては読み切ることなく投げ出してきた。その度に、いろいろな人の感想を読んで、一体なにが面白いのか参考にしようとしたけれど、自分で理解しているつもりのことが書いてあるだけで、面白味を感じさせることが無い。こんなに名著と、古典と言われているんだから、面白いところ書いて欲しいんだけど、なんでこんなに面白そうだと思わせる感想がネットにないんだろう…? シ

    chigui
    chigui 2012/07/30
    注がね、当時の文化人類学には必要だったんだろうと思う一方で、鬱陶しい(笑)ただ、本論にあまり関係ないけど、しばしば出てくる、とくに南洋諸島の語感が楽しい。「キラウエア」とか「パホイホイ」といった響き。
  • EXTRA:『贈与論』マルセル・モース - chiguiのブログ

    EXTRAについて の指定者が3人のうちの誰かではなくて、「伴読部」である―ということです。 前回(第6回)まででの指定者が2巡し、またそれぞれの感想をアップしてきたわけですが、実は毎回その後があって、感想アップ後には「お互いの感想を読んだ感想」などを元に3人のあいだでメールのやりとりをいくらかしています。で、5回6回と回を重ねてゆくなかで、伴読部の輪郭もちょっと見えてきて、そこに今回の指定『贈与論』も浮かびあがってきた。3人とも未読であると「判明」し、かつ、いずれ読みたい/読んでおこうと思っている(積読)ということだったので、「伴読部EXTRAみたいな感じで読んでみるのもいいかもしれませんね」というast15さんの発案。「EXTRAって響きになんか心くすぐられる…!」「じゃあ7月に差し込みましょう」。 というわけでで今回はEXTRA。 「贈与論」 今日の受け取り手は、明日は贈り

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  • 伴読部 EXTRA 『贈与論』 - けれっぷ彗星

    今回の伴読部はEXTRA回。第7回でないのは、このを選んだのがメンバーではなく、伴読部そのものだから。「贈与論」を選んだ、というよりは、この流れならやはり「贈与論」は抑えておこう、という文脈が存在したのです。 贈与論 (ちくま学芸文庫) 作者: マルセルモース,Marcel Mauss,吉田禎吾,江川純一出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2009/02/01メディア: 文庫購入: 11人 クリック: 49回この商品を含むブログ (82件) を見るもともとは、 『埋葬』の自己と他者を預けあう感覚は、『熊から王へ』の贈与と重なっているようにみえる。それじゃあ次は贈与と関係のあるものを、あるいは贈与から横滑りするものを指定しよう。ならば贈与経済とは違った形態のもの、貨幣経済をテーマにしよう。 ということで、なむさんが「貨幣論」を提示したときに、「贈与論」もありか?という話は挙がっていた。僕

    伴読部 EXTRA 『贈与論』 - けれっぷ彗星
    chigui
    chigui 2012/07/29
    そうそう、内田樹はよく『贈与論』を引き合いに出してくるって印象がある。そして同じ文脈上で、彼は小津映画によく言及する。
  • 第六回:『メモリー・ウォール』アンソニー・ドーア 岩本正恵訳 - 「あれも、これも」

    指定はast15さん。メモリー・ウォール (新潮クレスト・ブックス)作者: アンソニードーア,Anthony Doerr,岩正恵出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2011/10メディア: 単行購入: 2人 クリック: 36回この商品を含むブログ (18件) を見る アンソニー・ドーアの記憶にまつわる6つの物語を収めた作品集。「記憶がなければ、われわれは何者でもない」というルイス・ブニュエル『わが最後のため息』と引用されているが、記憶は僕たちの生そのものなのかもしれない。もちろんそれは失われた記憶も含めて、あるいは記憶が失われてしまうことも含めて。 表題作「メモリー・ウォール」は近未来SF小説のようだ。認知症を患い記憶を失くしつつある老婆アルマは、遠隔記憶刺激装置によって、記憶の断片を抽出しカードリッジに保存している。カードリッジを再生することで記憶を取り戻し、忘却の進行をい止める治

    chigui
    chigui 2012/06/25
    アルマは…なむさんの見たままだと思う。たぶん、著者自身がアルマ(ないし記憶というもの)を描き切れなかった。だからあとの短篇が生まれてきた、「来世」に至ってエスターという人物が現れたんじゃないかと。
  • 伴読部第6回 『メモリー・ウォール』 - けれっぷ彗星

    思いのほか長く続き、という言い方も失礼かもしれないが、2巡目が終わろうとしている伴読部。今回は僕の指定回だったので、久しぶりに小説を、と思い、去年読んだ「シェル・コレクター」がオオアタリだったアンソニー・ドーアの新作を選んだ。屋大賞の翻訳部門小説でも3位になったとかで、まあ「なんとか大賞」なるものをあまり信用してはいないものの、ドーアの知名度も上がりつつあるだろうか。ていうか、屋大賞ってもともとは「書店員のオススメ」みたいな、個々人の嗜好が強く出るものを想定しているんじゃないのか?それを投票で決めたら平準化されて「一般的な」がピックアップされてくるだけのような。コンセプトとしてどうなんだろう?○○書店□□店の屋大賞くらいが味のある企画だと思うけど、って話が逸れまくりでした。 メモリー・ウォール (新潮クレスト・ブックス) 作者: アンソニードーア,Anthony Doerr,岩

    伴読部第6回 『メモリー・ウォール』 - けれっぷ彗星
    chigui
    chigui 2012/06/25
    これは…100字でコメントするのちと厳しい。とりあえず1つだけ。「セピア色のウォール」でのast15さんの思考、感覚、ないし言葉の選び方は、とても理系的だと思った。文系的だとこうはならない/できない。
  • 第6回:『メモリー・ウォール』アンソニー・ドーア - chiguiのブログ

    記憶のあるところ。あるいはノスタルジーについて。 メモリー・ウォール (新潮クレスト・ブックス) 作者: アンソニードーア,Anthony Doerr,岩正恵出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2011/10/01メディア: 単行購入: 2人 クリック: 44回この商品を含むブログ (32件) を見る ケープタウンを舞台にした表題作をはじめ、ワイオミング州、アイダホと韓国の米軍駐屯地、中国のとある寒村、リトアニア、ハンブルクとオハイオ州と場所はさまざま、登場人物も老若男女と異なれば、時代も一様ではない。それでいて一つひとつに体温があって、息遣いがあって、深みもある。粒ぞろいの短篇集だ。 ドーアの筆が紡ぎだす物語は、読者に、言葉ではちょっと表しがたい感慨を与える…この短篇集に罪なところがあるとすれば、読者の感想が似たり寄ったりになってしまうことかもしれない。検索して出てくるレビューや感想

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  • 第5回:『ヴァギナ』キャサリン・ブラックリッジ - chiguiのブログ

    目を逸らすなかれ。 ヴァギナ 女性器の文化史 (河出文庫) 作者: キャサリン・ブラックリッジ,藤田真利子出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2011/02/04メディア: 文庫購入: 3人 クリック: 638回この商品を含むブログ (28件) を見る これでもか!というくらい、ヴァギナである。神話や伝承、民俗学、宗教にはじまり、文化人類学、彫刻、壁画、言語学、哺乳類や昆虫の生態等を視野に入れつつ、生物学、医学、解剖学、生理学と広角的・多角的にアプローチし、偏見や固定観念、妄念に歪められたヴァギナの姿を描きなおしてみせる。個人的には、前半部の文化面からのアプローチよりも、科学的な面から展開する後半部が興味深く読んだ。 まずはじめに、書で明かされるヴァギナの姿の例をいくらか並べてみよう―文化面では、先史時代を眺めてみると、ペニス信仰よりも数千年早くヴァギナ信仰が起こったことが窺われる

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  • 伴読部 第5回 『ヴァギナ 女性器の文化史』 - けれっぷ彗星

    それでも、何世紀ものあいだ、世界中の女性たちが力を振るうためにスカートをまくりあげてきたことは、紛れもない事実だ。 ヴァギナ 女性器の文化史 (河出文庫) 作者: キャサリン・ブラックリッジ,藤田真利子出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2011/02/04メディア: 文庫購入: 3人 クリック: 638回この商品を含むブログ (28件) を見る 表紙からして意志を感じる。たぶん作者にしてみればモザイクなどなしで載せたかったのだろうが、よくもまあこの表紙で出版できたな、という。それは、半笑いで手に取ってんじゃねーよこちとら真剣なんだよ!的な意志だ。「ヴァギナを見せる」と「敵を退け魔を追い払う」ことができるというミームは世界各地で見られるそうで、「ヴァギナを見せられ退散する悪魔」の図に描かれた女性のドヤ顔っぷりはかなりハンパない。表紙にヴァギナを掲げたのも、「ヴァギナについては語るべき

    伴読部 第5回 『ヴァギナ 女性器の文化史』 - けれっぷ彗星
    chigui
    chigui 2012/05/21
    笑>「退散する悪魔」の図に描かれた女性のドヤ顔っぷりはかなりハンパない&まんじゅうこわいメソッド/ヴァギナを「怖い」と感じるのは人間が視覚に頼る生き物だからかも…とふと思った(ペニスと違って“見えない”)
  • 第五回:『ヴァギナ 女性器の文化史』キャサリン・ブラックリッジ 藤田真利子訳 - 「あれも、これも」

    ヴァギナ 女性器の文化史作者: キャサリン・ブラックリッジ,藤田真利子出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2005/12/16メディア: 単行購入: 3人 クリック: 627回この商品を含むブログ (33件) を見る ショッキングなタイトルと装丁だ。よく「薄目にするとモザイクがとれる」と聴くが、薄目にせずともこの装丁がヴァギナだということがわかる。 いまぼくは「ショッキング」と書いた。たぶん多くのひとが「ヴァギナ」という言葉に少なからず抵抗を覚えると思う。あるいは試しにいま「ちんこ」と呟いてみる。そのあとに「まんこ」と言ってみよう。「ちんこ」よりも「まんこ」のほうが、セクシャルな、下品な響きを持っているように感じてしまう。それは一体どうしてだろう?この抵抗感は相応しいものなのだろうか? 赤亀さん指定による第五回『ヴァギナ 女性器の文化史』は、このようなタブー感のある「ヴァギナ」を、

    chigui
    chigui 2012/05/21
    言い得て妙>ちんこを出した露出狂に、一種の笑いを見いだせるのに、まんこをさらけ出した女性からは狂気を感じる/ヴァギナの存在感はすごい。もしかしたらそれがペニスと違って茶化せない理由でもあるのなのかも。
  • 伴読部 第4回 『貨幣論』 - けれっぷ彗星

    よくわからなかった。いや、書いてあることはわかったんだけど、その内容の重要性がよくわからない。現在の問題とあまりリンクしているように思えなかったからだ。やっぱり問題意識の在処が違うんじゃないかな。もう少し経済の歴史を、世界恐慌の辺りから冷戦構造の終わりくらいまでを丁寧に追っていれば、どういう危機意識をベースに思考しているかがわかると思うんだけどね。などと考えて、そうでもないような気がしてきたので、ちょっと現在の問題にリンクさせてもう少し自由に考えていこうかな、と思う。 貨幣論 (ちくま学芸文庫) 作者: 岩井克人出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 1998/03/10メディア: 文庫購入: 4人 クリック: 66回この商品を含むブログ (51件) を見る サブプライムショックと貨幣論 まあたぶん、このを現代という視点で読むんだとすれば、サブプライムの話を出さないわけにはいかないだろう。

    伴読部 第4回 『貨幣論』 - けれっぷ彗星
    chigui
    chigui 2012/04/30
    「市場の崩壊≠資本主義の崩壊」/貨幣の変容についての議論は実際的には、「国家(社会システム)」の変容あたりに行き着くものなんだろうなと思う。てか『貨幣論』的な議論って要は、そこを本題にしたいはず・・・?
  • 第四回:『貨幣論』岩井克人 - 「あれも、これも」

    貨幣論 (ちくま学芸文庫)作者: 岩井克人出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 1998/03メディア: 文庫購入: 4人 クリック: 41回この商品を含むブログ (42件) を見る  大学に入学して二年目まで、大学にほとんど行かず、部屋で煙草を吸いながら、を読んだりアニメを観たりして、ぼけーっと過ごしていた。大学に行かなかった(たぶん最も小さな)理由のひとつは、経済学部でありながら経済学にまったく興味を持てずにいたこと。経済学に対する一般的な印象――お金のことを扱う(卑しい)もの――持っていて、絶対にソリが合わないと思っていた。そんなものを知りたいなんて思えなかった。実は同じような話が小説にも当てはまる。小説を読み始めた頃、評論は小説の大切なものを失わせてしまうと思っていた。だから評論にまったく興味が持てなかった。しかし、小説を読んでいるうちにだんだんと評論にも手を伸ばすようになった。

    chigui
    chigui 2012/04/30
    「間違った日本語」や「略語」の定着等にも通じるものがありそうな点。>第三章の貨幣系譜論は刺激があった。/知ってると発見や愉しみも増すしね!>同時にその時代性を知った上で読むことも必要だと考える。