前回に続く「解体工事を振り返って(2)」では、引き続き清水建設さんに話を伺い、建物を解体することで明らかになった"歌舞伎座の姿"を語っていただきました。 第四期歌舞伎座とはどんな建物だったのか? その構造や当時の技術、第五期に継承するための意匠や錺(かざり)の調査作業は、夜間や早朝、劇場休館日などを利用し、閉館の数ヶ月前から進められ、解体工事が完了した10月まで続きました。 第四期歌舞伎座の正面、軒下で屋根を支えるのがコンクリート製の垂木。左下写真は垂木を調査したところ空洞となっていた状態。 歌舞伎座の閉館後、解体工事が進められる中での調査保存は危険度も高く、解体業者とのチームワークが大切でした。それに加え、複雑な意匠の歌舞伎座では、調査保存のために、目的の場所で専用の足場を掛けなければならず、お互いの協力が欠かせませんでした。 第三期の歌舞伎座の屋根が空襲で落ち、第四期の歌舞伎座は、残っ