拠点再編や縮小を打ち出したシャープの戴正呉社長。発光ダイオードを生産する三原工場(広島県三原市)を17年にも閉鎖し、福山工場(同福山市)に集約する案を検討している。広島事業所(同東広島市)の携帯電話工場も規模を縮小する可能性がある。 すでに知的財産管理や物流部門を分社化したほか、各事業部門も鴻海グループの事業体制に合わせて20のビジネスユニットに細分化して組織を組み直しており、鴻海が各事業の収益を細かく管理する体制を構築している。 これらの動きについて取引行幹部は「シャープが鴻海の一部として取り込まれる過程」と説明し、「16年度下期で負の部分を一掃するだろう」と構造改革の加速を予測する。 一方でディスプレーパネルは赤字が続くが依然として成長事業の位置づけ。中国や国内の関連部門が肥大化している点を改善し、顧客の選別を進めれば「黒字化する自信がある」(戴社長)と言い切る。有機エレクトロ・ルミネ