そのハクチョウと男性の出会いは2014年の秋にさかのぼる。イギリス南部にあるハクチョウの保護施設、アボッツバリー・スワネリーに、テレビ番組の取材で訪れたリチャード・ウィーゼは1羽の傷ついたコブハクチョウを見た。 そのハクチョウは鉄製のフェンスで深い傷を負い、この施設へやってきたのだ。リチャードはとりわけこのハクチョウに気を配り、自然に帰れるよう常に寄り添っていた。 そんなリチャードの気持ちが通じたのだろう。ハクチョウはその身を安心してリチャードに預け、まるでマフラーのようにリチャードの首に巻きついてきたのだ。