このところ基礎科学について、頭を整理するために思いついたことをちょっと書いている。そこでは、基礎科学を擁護するいくつかの議論のタイプについて書いているのだけれど、それはどちらかといえば科学史家の立場から、どの議論にもコミットせずにメタな立場からどのような議論があるかについて整理しようというものだ。それとは別に私自身が個人的にどう考えるか、ということについて、まず書いてみようと思う。これはいわゆる基礎「科学」だけではなく、実用的ではない学問一般についてのことで、人文系の分野のことも念頭にいれている。 これは何かのときにちょっと思いついたこばく然としたことがあったのだが、それが何であるのかが自分でもうまくつかめないでいる。微妙な考え、というだけに、極めて情緒的、感覚的なものであって、それが基礎科学の擁護として説得力を持つことはあまり期待していないし、とくにがんばって自然科学のほうの基礎科学を擁