イエローストーン国立公園のハイイログマ。ハイカーを殺したとされる母グマは、先週安楽死させられた。(Photograph by Michael T. Sedam, Corbis) 米国のイエローストーン国立公園で子連れの母グマがハイカーを殺した。人を襲ったクマを生かすか、処分するか。公園の責任者は難しい判断を迫られた。 先週から、同公園のオフィスには最高責任者のダン・ウェンク氏を「冷酷な処刑人」と呼ぶメールや電話が殺到している。その多くは野生生物を愛するがゆえに、ある母グマを救おうと、公園の決定を激しく非難するものだ。 著名な霊長類学者で、イエローストーンのハイイログマ(グリズリー)を愛してやまないジェーン・グドール氏も、英国からウェンク氏にメッセージを送った。不幸にもハイカーと遭遇し、国際的な論争を起こすことになった母グマを助けてほしいと要請したのだ。 「国立公園局で40年間働いてきました