著名人であっても病気になれば、当然、医療費の負担と向き合わなければならい。そのリアルケースを紹介しよう。俳優の村野武範さん(78)は、70歳になった2015年に「ステージIVの中咽頭がん」と診断された。 「CTやMRI、全身のがんを調べるPETなどの検査を受けて、舌の付け根からリンパ節に転移していると告げられました。医師からは『余命は聞かないほうがいい』とまで言われました」 村野さんは「医者の言うことは絶対」と思い、諦めかけたと振り返るが、「妻がネットでいろいろと治療法を調べてくれた」という。そこで見つけたのが「陽子線治療」だった。 患部のみに放射線を照射し、身体への負担が少ない治療法だが、先進医療のため村野さんの中咽頭がんでは自由診療(2016年から小児がんなどの一部で保険適用)で、治療費は全額患者負担となる。 そんななかで、村野さんは70歳を前に保険内容を見直していたことが身を助けたと