先ほどのテレビで「貞観地震」という言葉を聞いた。貞観地震の史料を紹介する。貞観年間は九世紀、859年から877年。問題の東北の貞観地震は貞観十一年、西暦でいうと869年にあたる。 九世紀が「大地動乱の時代」であることは、『かぐや姫と王権神話』で論じたが、そこでは火山が中心であった。火山活動が活発であるということは、九世紀が地震の激発期であったことも意味している。 三月一一日の列島東海岸大地震の状況を知ると、若干でも歴史データを記しておきたいと思う。そこで、九世紀の地震と貞観地震のデータについて、しばらく読みの作業を報告することにする。 まず、「貞観地震」といわれているものは、下記の『日本三代実録』(『国史大系』)の貞観十一年五月廿六日条に記録がある。これはユリウス暦でいうと869年年7月9日にあたる。 陸奥国の地、大いに震動す。流光、昼の如く隠映す。このころ、人民叫呼して、伏して起きること
![9世紀火山地震(5)ーー貞観地震 - 保立道久の研究雑記](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/af37655ca470a31cbf371f415339bf622c83edda/height=288;version=1;width=512/http%3A%2F%2Fhotatelog.cocolog-nifty.com%2F.shared-cocolog%2Fnifty_managed%2Fimages%2Fweb%2Fogp%2Fdefault.png)