企業が保有する美術品は誰のもの? 2024年9月も終わりにさしかかった週末の午前、千葉県佐倉市の川村記念美術館(インキ大手DIC運営)では、脇道にある入場券売り場に長蛇の列ができていた。美術館前の並木道には車が列をなして、第2駐車場の空車待ちをしている。 館内のギフトショップは、このところ人が殺到したために休業中だ。まだ11時45分だというのに、併設されたレストラン「ベルヴェデーレ」入口前のスクリーンには「待ち時間181分」の文字。美術館の公式サイトは「弁当の持参」を呼びかけている。 川村記念美術館は2024年8月27日、2025年1月下旬をもって休館することを発表した。すると、これは一大事だと慌てた芸術愛好家らが、のどかな地区にある同美術館に大挙して押し寄せた。しかし、芸術愛好家とは比較にならないほどこの事態を重く受け止めているのが、多くの日本企業だ。 知名度が高いとは決して言えない川村
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