鉄道にとって、最も危険な事故の一つは、自動車などの障害物、あるいは列車同士の衝突だ。2005年4月25日に発生した福知山線列車脱線事故のように、場合によっては多くの人命が失われてしまう。 列車の衝突事故対策は、これまでどのように進化してきたのであろうか。 事故が発生すると、車両に通常の使用時をはるかに上回る衝撃が加わる。ただ、装甲車ではあるまいし、いっさい転覆せず車体も壊れないよう、車両を無限に重く、頑丈にする訳にもいかない。1両80トン以上もある大型蒸気機関車であっても、置き石一つで脱線転覆する危険性があるのだ。 基本はいかに軽くかつ丈夫な構造とするか。たとえ衝突、転覆しても、中に乗っている生身の乗客、乗務員の生命をいかにして守るのか。車体の構造には、設計上の工夫がたびたび加えられてきた。 その工夫が生かされた実例として、2014年2月23日の深夜に川崎駅構内で起きた、京浜東北線の回送列
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