◆作品紹介 一部に熱狂的な支持を持つブログ『みそは入ってませんけど』を運営し、「一階堂洋」名義の小説作品でも注目を集めつつある著者が放つ、最新のヘビー級怪文書。いわく、日本の科学技術再興のためには、第二次戊辰戦争が肝要となる……絶え間ない悪ふざけが驚くべきアクロバットで連結されてゆく。しかし読み進めるにつれ、その露悪性の裏から一抹の悲哀が匂い立つ。語るべき痛みも快楽もないちっぽけな肉体をわずかに現実から滑空させるために、われわれは嘘を、フィクションを吐き続けるのだと──ああ、素晴らしくよく纏まった。だがいささかの暴露が許されるならば、著者の心情吐露とも読める第二章は、実は「『地下室の手記』っぽいと面白いかもと思って」加筆・改稿された箇所であった。それがただの照れ隠しなのか、それとも全てはよく仕立てられた虚構でしかないのか、それはわからない。どこまでが嘘でどこからが本当なのか、そんなことは言