田野大輔(コーナン大学) 増え続ける本との闘い研究者、とくに人文系の研究者で蔵書の管理に頭を悩ませていない者はいないだろう。かくいう筆者もその一人で、最近まで増え続ける蔵書への対処に手を焼いていた。気づけば自宅も研究室も大量の本で埋め尽くされ、本棚からあふれ出した本がいたるところに積み上がっている。毎年何十万円も本を買うわけだから、考えてみれば当たり前なのだが、さりとて本は仕事道具なので、購入を控えるわけにもいかない。何かいい解決策はないかと考えあぐねているうちに、洪水のように押し寄せる本の濁流は勢いを増して床にまで進出してくる。 部屋中が大量の本であふれ返るようになると、仕事の能率にも影響してくる。研究者はたえず本を参照しながら原稿を書いているのだが、いざ参照しようにも目的の本がどこにあるのかわからない。いたるところに積み上がった山のなかから探し出すのが面倒なので、持っているはずの本でも
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