何回にも分けてお話をしてきた呉海軍墓地の碑にまつわる逸話シリーズ、最終回です。 そこで今日は呉海軍墓地の歴史についてお話ししておきたいと思います。 呉海軍墓地がここにできたのは明治23年。 呉鎮守府が開庁されたのが前年の明治22年ですから、海軍は戦没海軍軍人の霊を祀る、 人々の心の拠り所となる慰霊の場を何よりも優先して設けたということになります。 海軍はここ長迫に用地8,503坪を買収し、墓地の管理は呉鎮守府が行い、 開廟以来毎年秋季に慰霊祭を執り行ってきたのですが、昭和20年の終戦と同時に廃止されています。 終戦直前の7月24日、28日の呉軍港大空襲、次いで9月の枕崎台風による水害で、 海軍墓地は無残に荒れ果てたのですが、呉復員局が中心となって地元有志の力で復旧させました。 以降、心ある人々、団体、付近住民の奉仕によって清掃と供養が続けられてきましたが、 昭和43年になって「呉海軍墓地顕