新型コロナウイルス感染症の5類移行を契機に、全国的に観光が盛り上がっている。JR九州は「D&S(デザイン・アンド・ストーリー)列車」という観光列車をさまざまなエリアで走らせているが、コロナ禍の間は低い乗車率に甘んじてきた。それだけにコロナ後の観光列車戦略には力が入る。 しかし、現在のところ、各地を走る観光列車の利用状況は列車によってまちまちだ。たとえば熊本―三角間を走る「A列車で行こう」。目的地の三角では天草松島に向かうクルーズ船と接続しており観光要素もたっぷりある。にもかかわらず、その乗車率は4月が26%、5月が42%と低迷している。 JR九州の古宮洋二社長は、「テコ入れが必要だ」と話す。運行距離が短く乗車時間がわずか50分程度。せっかくの車中旅を満喫しきれないのがネックとなっている。そこで、対策の1つとして博多発着にして乗車時間を延ばすことが検討されている。熊本よりも乗降客の多い博多を