癌研究分野での昨年の大きなトピックスの一つは、アムジェン社が開発した新しいKRAS(G12C)阻害剤で、11月に論文を紹介するとともに(https://aasj.jp/news/watch/11638)YouTubeでも詳しく解説した(https://www.youtube.com/watch?v=xOe26eCpeoo)。ただ、この論文で感じたのは、RAS阻害という癌治療の夢が一部でもかなったとしても、他の薬剤と比べても耐性がでやすいのではという点だった。事実、11月に紹介した論文でも、KRAS阻害剤と他の抗がん治療をどう組み合わせれば有効かという点に焦点が絞られていたように思う。 今日紹介するスローンケッタリングがんセンターからの論文は、まさにG12C変異を持つ癌に対する阻害剤に対する耐性がどのように発生するか解析した研究で1月16日号のNatureに掲載予定だ。タイトルは「Rapid