AASJホームページ > 新着情報 > 論文ウォッチ > 4月21日 アルツハイマー病治療の新しい標的(4月12日号 Science Translational Medicine 掲載論文) アルツハイマー病(AD)で神経死の直接原因となるのが、微小管結合分子Tauの繊維状沈殿で、やっかいなことに異常Tau沈殿線維は神経から神経へと伝搬し、病気を拡大させる。この過程に、Tauのリン酸化と、それによる微小管結合の変化があることがわかっており、この結果微小管から離れたリン酸化Tauが細胞質で増えると沈殿が始まる。従って、Tauのリン酸化を抑えるか、あるいは脱リン酸化を促進することが治療につながるが、簡単ではない。 今日紹介するヘルシンキ大学からの論文は、直接リン酸化酵素や、脱リン酸化酵素を標的にするのではなく、脱リン酸化酵素とTauとの結合を高め、さらにはオートファジーを抑制する機能を持つペプ