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ブックマーク / aasj.jp (147)

  • 4月21日 アルツハイマー病治療の新しい標的(4月12日号 Science Translational Medicine 掲載論文) | AASJホームページ

    AASJホームページ > 新着情報 > 論文ウォッチ > 4月21日 アルツハイマー病治療の新しい標的(4月12日号 Science Translational Medicine 掲載論文) アルツハイマー病(AD)で神経死の直接原因となるのが、微小管結合分子Tauの繊維状沈殿で、やっかいなことに異常Tau沈殿線維は神経から神経へと伝搬し、病気を拡大させる。この過程に、Tauのリン酸化と、それによる微小管結合の変化があることがわかっており、この結果微小管から離れたリン酸化Tauが細胞質で増えると沈殿が始まる。従って、Tauのリン酸化を抑えるか、あるいは脱リン酸化を促進することが治療につながるが、簡単ではない。 今日紹介するヘルシンキ大学からの論文は、直接リン酸化酵素や、脱リン酸化酵素を標的にするのではなく、脱リン酸化酵素とTauとの結合を高め、さらにはオートファジーを抑制する機能を持つペプ

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    cknbstr 2023/04/21
  • 4月20日 年をとると何でも(転写まで)せっかちになって間違う(4月12日 Nature オンライン掲載論文) | AASJホームページ

    AASJホームページ > 新着情報 > 論文ウォッチ > 4月20日 年をとると何でも(転写まで)せっかちになって間違う(4月12日 Nature オンライン掲載論文) 老化は遺伝子に変異が蓄積するぐらいで済ましていた我々の時代とは違って、調べれば調べるほど様々な老化の原因が見えてくると言うのが最近の現状だろう。 今日紹介するケルン大学からの論文は、DNAをRNAへと転写する酵素PolIIのスピードが年齢とともに増加して、転写の失敗が増えることが細胞の老化につながることを示し、老化の原因が意外なところにも存在することを示した研究で、4月12日 Nature にオンライン掲載された。タイトルは「Ageing-associated changes in transcriptional elongation influence longevity(転写伸長の経年変化が寿命を決める)」だ。 全ゲノ

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    cknbstr 2023/04/20
  • 3月2日 歯周病がリウマチの引き金になる可能性(2月22日号 Science Translational Medicine掲載論文) | AASJホームページ

    AASJホームページ > 新着情報 > 論文ウォッチ > 3月2日 歯周病がリウマチの引き金になる可能性(2月22日号 Science Translational Medicine掲載論文) 歯周病が慢性炎症としてさまざまな全身疾患にかかわることは疑う人がいないが、それぞれのメカニズムについてはまだまだ研究が必要だ。今日紹介するスタンフォード大学からの論文は、口腔粘膜の破れから侵入した口内細菌が炎症を誘発してリウマチを悪化させるだけでなく、シトルリン化された細菌性分子で免疫を刺激することで、リウマチ特異的な自己抗体を誘導するという研究で、2月22日 Science Translational Medicine に掲載された。タイトルは「Oral mucosal breaks trigger anti-citrullinated bacterial and human protein ant

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    cknbstr 2023/03/02
  • 3月1日 ファスティングの意外なリスク(2月23日 Immunity オンライン掲載論文) | AASJホームページ

    ファスティングはカロリー制限だけでなく、内分泌系のバランスなどに影響することで、特に体の代謝を変化させ、健康維持に貢献することは広く知られるようになってきた。しかし、今日紹介するマウントサイナイ・アイカーン医科大学からの論文は、24時間ファスティングでの白血球の動態を調べ、ファステイングに潜む意外なリスクを示した研究で、2月23日 Immunity にオンライン掲載された。タイトルは「Monocytes re-enter the bone marrow during fasting and alter the host response to infection(単核球はファステイング時に骨髄に戻り感染に対する反応を変化させる)」だ。 この研究では24時間ファスティングを行ったとき、各組織に存在する血球が変化するかどうかを、末梢血を含む16組織について調べている。この実験を着想したことがこ

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    cknbstr 2023/03/01
  • 1月31日 ウイルス感染は脳の神経変性疾患発症のリスクになる(1月16日Neuron オンライン掲載論文) | AASJホームページ

    Covid-19では、brain fogと呼ばれる脳症状が高い頻度で発生した事が知られ、後遺症として位置付けられている。ただ、ウイルス感染が脳へ波及しなくとも、ウイルス感染自体が神経変性疾患のリスクになることは、昨年の10大ニュースの中にサイエンスが選んだ「EBウイルス感染が多発性硬化症の原因になっている」という発見からもわかる。 今日紹介する米国国立老化研究所からの論文は、極めてシンプルだが恐ろしい論文で、様々なウイルス感染が、アルツハイマー病を含む様々な神経変性疾患の引き金になっている可能性を示した研究で、1月19日 Neuron にオンライン掲載された。タイトルは「Virus exposure and neurodegenerative disease risk across national biobanks(国レベルのバイオバンクデータからわかるウイルス感染と神経変性疾患リスク)

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    cknbstr 2023/01/31
  • 1月15日 腸内細菌叢からの短鎖脂肪酸はアルツハイマー病を促進する(1月13日号 Science 掲載論文) | AASJホームページ

    どんな病気も詳しく調べてみれば、腸内細菌叢によって何らかの修飾を受けることが示されてきたが、アルツハイマー病も例外ではない。ただ、メカニズムについては、腸での変化が神経炎症を高めるといったレベル以上に明らかではなかった。 今日紹介するワシントン大学からの論文は、Tau による神経変性が促進される突然変異が起こったヒトTau遺伝子と、アルツハイマー病(AD)のリスクを高める APOE4遺伝子を導入したマウスを用いて、腸内細菌叢が明らかにTau異常を促進することを示した研究で、1月13日号 Science に掲載された。タイトルは「ApoE isoform– and microbiota-dependent progression of neurodegeneration in a mouse model of tauopathy(ApoEアイソフォームと細菌叢により Tau異常症モデルマウス

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    cknbstr 2023/01/15
  • 10月30日 一種類の細菌がリュウマチ性関節炎を誘導する(10月26日 Science Translational Medicine 掲載論文) | AASJホームページ

    AASJホームページ > 新着情報 > 論文ウォッチ > 10月30日 一種類の細菌がリュウマチ性関節炎を誘導する(10月26日 Science Translational Medicine 掲載論文) このHPでも取り上げてきたが、リュウマチ性関節炎(RA)の原因を特定することは難しい。症状や自己抗体など臨床所見は似ていても、様々な原因で起こってくると考えていいと思う。とはいえ、一つ一つRA を誘導する原因を特定することが予防や治療に大事なことは言うまでもない。 今日紹介するコロラド大学からの論文は、臨床所見から遡って RA を起こす細菌を特定した論文で、10月26日号の Science Translational Medicine に掲載された。タイトルは「Clonal IgA and IgG autoantibodies from individuals at risk for rh

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    cknbstr 2022/10/31
  • 10月16日 ダウン症のウイルス感受性からわかるインターフェロンシグナルの複雑性(10月14日 Immunity オンライン掲載論文) | AASJホームページ

    AASJホームページ > 新着情報 > 論文ウォッチ > 10月16日 ダウン症のウイルス感受性からわかるインターフェロンシグナルの複雑性(10月14日 Immunity オンライン掲載論文) ダウン症の人はコロナの死亡リスクが10倍上昇していることが知られている。これは、これまで指摘されている獲得免疫系の低下を反映した結果だと考えられてきた。一方、自然免疫系についてみると、最も重要なインターフェロンシグナルを受ける受容体、IFNR1&2両方とも21番染色体に乗っており、原理的には遺伝子発現が1.5倍で、インターフェロンシグナルも強いと考えられる。従って、自然免疫ではウイルス感染抵抗性が強いはずだと考えられる。 今日紹介するマウントサイナイ医科大学からの論文は、ダウン症のインターフェロン反応性について調べ、初期の反応は正常人より高いものの、弱い刺激も強い刺激と解釈して、その後の反応性が強く

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    cknbstr 2022/10/16
  • 10月12日 女性のアルツハイマー病リスクが高い理由(10月4日 Cell オンライン掲載論文) | AASJホームページ

    アルツハイマー病 (AD) の発症率は女性の方が約1.7倍高い。最近の Tau 分子の蓄積を調べる PET 検査では、臨床症状のない女性でも、Tau の蓄積が男性より強いことがわかっており、女性の方が Tau が蓄積しやすいことがわかっているが、このメカニズムについては明らかでない。 今日紹介するクリーブランドの Case Western Reserve 大学からの論文は、Tau 分解の印としてつけられたユビキチンを除去する脱ユビキチン化酵素活性が高いと、Tau が蓄積しやすくなり、AD のリスクを高めること、そしてこの分子こそが女性で AD が発症しやすい原因であることを示した研究で、10月4日 Cell にオンライン掲載された。タイトルは「X-linked ubiquitin-specific peptidase 11 increases tauopathy vulnerability

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    cknbstr 2022/10/12
  • 9月3日 ダウン症の認知障害は治療できるかもしれない(9月2日号 Science 掲載論文) | AASJホームページ

    21番染色体の全部、あるいは一部が余分に存在するダウン症では、様々な障害が生後現れるが、中でも重要なのは、年齢と共に認知機能が低下する症状だと思う。 今日紹介するフランス・リールにある、リール神経認知科学研究所からの論文は、ダウン症で起こる認知機能と嗅覚障害に絞ってその原因を探り、卵胞刺激ホルモンおよび黄体形成ホルモンの分泌を調節するゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)の分泌低下が背景にあることを突き止め、これを補うことで認知機能や嗅覚の低下を止める可能性があることを示した画期的な研究で、9月2日号 Science に掲載された。タイトルは「GnRH replacement rescues cognition in Down syndrome(GnRH を補うことでダウン症の認知機能を救済できる)」だ。 この研究は、ダウン症で見られる嗅覚障害が、GnRH 欠損を示すカールマン症候群でも見

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    cknbstr 2022/09/05
  • 8月18日 個人用ガンワクチンの治験が始まっている(8月15日 Nature Medicine オンライン掲載論文) | AASJホームページ

    AASJホームページ > 新着情報 > 論文ウォッチ > 8月18日 個人用ガンワクチンの治験が始まっている(8月15日 Nature Medicine オンライン掲載論文) 今回のコロナ禍で、世界はアデノウイルスベクターや mRNA ワクチンの威力を知ることになったが、これらのモダリティーが大成功した原因の一つは、ワクチン製造のスピードにある。以前紹介したが、我が国で多くの専門家が、ワクチンの評価には何年もかかるなどと言っていたとき、ウイルスのゲノム配列が明らかになってから、なんと4日目にはヒトにも注射可能な GMP基準のワクチンができあがり、第1相治験まで3ヶ月かからなかった。 このスピードの源は、これらのモダリティーが、個人用ガンワクチンのために開発されてきたからだ。このためには、ガンが発現する変異分子を特定する迅速なゲノム解析と、その結果を迅速にワクチンにする必要がある。ガンという

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    cknbstr 2022/08/18
  • 7月7日 人間関係の煩わしさは寝て忘れるのが一番(7月1日号 Science 掲載論文) | AASJホームページ

    この論文を読むまで、人間関係の煩わしさなどによる社会的ストレスは、睡眠を妨げるだけだと思っていた。しかし、今日紹介するImperial College Londonからの論文は、マウスの話とは言え、ストレスが睡眠を誘導して、不安を和らげる働きを媒介する神経回路を明らかにした興味ある研究で、7月1日号 Science に掲載された。タイトルは「A specific circuit in the midbrain detects stress and induces restorative sleep(中脳の特異的神経回路がストレスを検出しストレスから回復させる睡眠に関わっている)」だ。 ハンスセリエのストレス学説以来、ストレスが副腎皮質ホルモンの血中濃度を高めることが知られており、この結果神経的な不安症だけでなく、身体の様々な異常が誘導される。従って、早くストレスを忘れることが一番の治療法に

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    cknbstr 2022/07/07
  • 6月10日 肥満にはダイエットより薬剤で(6月4日 The New England Journal of Medicine オンライン掲載論文) | AASJホームページ

    AASJホームページ > 新着情報 > 論文ウォッチ > 6月10日 肥満にはダイエットより薬剤で(6月4日 The New England Journal of Medicine オンライン掲載論文) これまで多くの肥満を防ぐと称する薬剤や品が巷に出回ってきた。科学的な根拠がある薬剤だけでも、レプチンからドーパミン拮抗剤までトライされてきたが、数多くの薬剤が試されたが、副作用などの問題で全て失敗に終わっている。結局肥満に対してはダイエットの努力しか王道はないと思われていたところに、それまで糖尿病の治療に用いられて大きな効果を示していた消化管ホルモンGLP-1 の半減期を延ばしたセマグルタイドが、初期の消化器症状を除くとたいした副作用もなく、肥満解消を実現したという報告が the New England Journal of Medicine (Vol 384, 989, 2021) に

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    cknbstr 2022/06/10
  • 5月20日 ビオンテックとモデルナワクチンの差を詳細に調べてみる(5月18日号 Science Translational Medicine 掲載論文) | AASJホームページ

    AASJホームページ > 新着情報 > 論文ウォッチ > 5月20日 ビオンテックとモデルナワクチンの差を詳細に調べてみる(5月18日号 Science Translational Medicine 掲載論文) 今回のパンデミックでワクチンモダリティーとしての mRNA ワクチンの評価は定まった。またこれに集中してきたビオンテック、モデルナに何兆円ものキャッシュが流れたことで、感染症だけでなく、ガンワクチンなどの開発が急速に進むと期待できる。すなわち、今回のワクチン競争の結果、将来投資に大きな差がついたことは間違いない。さらに、ワクチンのフォーミュレーションは、配列を除くとほぼ同じなので、認可の仕組みもかなり変化する予感がする。実際、個人用ガンワクチンを考えると、製造過程に対して認可が行われ、それに従っておればプロダクト自体はそのまま認可するということが重要になる。 このように、医療の世界

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    cknbstr 2022/05/20
  • 5月14日 若者の脳脊髄液は老人の認知機能を活性化できる(5月11日 Nature オンライン掲載論文) | AASJホームページ

    一般受けを狙った論文は中国からのものが多い印象を持っているが、もちろん日も含め、世界中から「え!」と驚く論文は出てくる。マウスの話だとしても、今日紹介する若いマウスの脳脊髄液を注射された老化マウスで、認知機能が戻るというスタンフォード大学からの論文は、誰もが驚くとともに、人間に応用することを想像しておぞましいと思う人も多いと思う。 このような論文はタイトルが決め手だが「Young CSF restores oligodendrogenesis and memory in aged mice via Fgf17(若い脳脊髄液は老化マウスのオリゴデンドロサイトの増殖と記憶を Fgf17 を介して回復させる)」というタイトルは、十分なインパクトがある。 若いマウスと血液を交換することでマウスが若返るという論文は数多く存在し、読むたびにドラキュラ伝説を思い出すが、若いマウスの脳脊髄液を老化マウス

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    cknbstr 2022/05/14
  • 5月12日 頭の良くなるシナプス活性(5月号 Brain 掲載予定論文) | AASJホームページ

    シナプスでのニューロトランスミッター遊離による神経伝達は、極めて複雑に調節されているが、多くの研究によりその細胞生物学的メカニズムはかなり理解できるようになってきた。しかし、個々のシナプスでの小さな違いが、脳全体の高次機能へどう展開するのか研究することは簡単でない。というのも、このような目的で利用される遺伝子変異のほとんどは、機能欠損型で、ポジティブな側面を調べることは出来ない。 今日紹介するドイツビュルツブルグ大学からの論文は CORD7 変異と呼ばれる、一部の高次機能を高める変異について、その分子細胞メカニズムをショウジョウバエを用いて調べた研究で、5月号の Brain に掲載予定だ。タイトルは「The human cognition-enhancing CORD7 mutation increases active zone number and synaptic release(人

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    cknbstr 2022/05/12
  • 5月10日 日焼け止めが珊瑚礁を壊す(5月6日号 Science 掲載論文) | AASJホームページ

    世界中で珊瑚礁が危機に瀕していることが明らかになっている。以前紹介したように、その主要な原因は地球温暖化により、サンゴ(刺胞動物)と共生する藻類の温度感受性が高く、温暖化でその数が急速に低下しているため、サンゴも生存できなくなっていることがわかってきた(https://aasj.jp/news/watch/6275)。一方で、珊瑚礁が死滅するスピードが場所により異なることから、当然人間が原因となる要因もあることが想定されていた。人的要因についての犯人捜しの過程で、最近注目されているのが日焼け止めクリームで、なんと水泳客の多いエリアでは、成分の一つ oxybenzone が 1.4mg/l にまで達することがわかっている。 今日紹介するスタンフォード大学からの論文は oxybenzone がサンゴを殺すメカニズムを明らかにした研究で5月6日号 Science に掲載された。タイトルは「Con

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    cknbstr 2022/05/11
  • 4月7日 ガンの分子標的薬治療をどこまで根治に近づけられるか(3月30日 Science Translational Medicine 掲載論文) | AASJホームページ

    AASJホームページ > 新着情報 > 論文ウォッチ > 4月7日 ガンの分子標的薬治療をどこまで根治に近づけられるか(3月30日 Science Translational Medicine 掲載論文) ガンの分子標的薬の始まりは、おそらく慢性骨髄性白血病に対するチロシンキナーゼ阻害剤の登場で、その効果は驚異的なものだった。この印象が強かったため、その後多くの分子標的薬が開発されたとき、多くのガンを長期的に制御できるのではと期待したが、CML以外はほとんどのケースで再発を防ぐことが出来ないことが明らかになった。 これを克服するために、2種類の分子標的薬を使って、再発を抑える試みが進んでいる。今日紹介するデューク大学からの論文はこのような試みの一つで、様々なキナーゼの変異がガンのドライバーになったケースで、この分子機能を抑える標的薬とともに、DNA切断修復を抑えることでより高い効果が得られ

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    cknbstr 2022/04/07
  • 3月27日 リステリア菌を膵臓ガンに対する免疫に利用する(3月23日号 Science Translational Medicine 掲載論文) | AASJホームページ

    AASJホームページ > 新着情報 > 論文ウォッチ > 3月27日 リステリア菌を膵臓ガンに対する免疫に利用する(3月23日号 Science Translational Medicine 掲載論文) 2日前、リステリア菌がマクロファージを操って脳に侵入するという恐しい能力についての論文を紹介した。この能力には2種類のインターナリン分子InlAとInlBが関わっており、InlBによってマクロファージの細胞死を防ぐことで、ゾンビ化してうまく脳まで運んでもらうと言う話だ。一方、InlAはこれまでの研究でリステリア菌がマクロファージのアクチン系を再構成して、マクロファージの取り付いた細胞へ移行するのに働いている。 今日紹介するアルバートアインシュタイン医科大学からの論文は、マクロファージに入った後、それが接触している細胞に移行すると言う性質を逆手にとって、治療が困難な膵臓ガンの治療に使えないか

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    cknbstr 2022/03/27
  • 3月4日 ゴナドトロピンがアルツハイマー病を促進する(3月2日 Nature オンライン掲載論文) | AASJホームページ

    アルツハイマー病は、世界的にも女性に多い病気で、おそらく発症数では男性の2倍以上ではないかと思う。この一つの原因として、閉経期に脳下垂体で合成されるゴナドトロピンの一つFSHの急上昇があるのではと疑われてきた。事実、閉経期に認知機能が一次的に低下することが知られている。 今日紹介するマウントサイナイ大学と深圳大学からの論文はこの考えを裏付け、FSHが直接神経細胞に働いて、アミロイドタンパク質や、Tauタンパク質を切断し沈殿させるメカニズムを促進することを示した研究で、新しいアルツハイマー病の治療開発の可能性を開くかもしれない。タイトルは「FSH blockade improves cognition in mice with Alzheimer’s disease(FSHを抑制することでマウスのアルツハイマー病を改善させることが出来る)」で、3月2日Natureにオンライン掲載された。 こ

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    cknbstr 2022/03/04