近年、様々な分野でニューラルネットワークを用いたデータ解析法−いわゆる人工知能(AI)−が盛んに開発・利用されています。これまでに様々なニューラルネットワークが提案され、その計算能力が評価・利用されてきました。しかし、生態系に自然に存在するネットワーク(例えば、食う−食われるといった種間関係)が計算能力を持っているのか、またそれらを我々人間が利用できるのか、については全く研究されてきませんでした。 今回、情報理工学系研究科知能機械情報学専攻の中嶋浩平准教授が参加する、京都大学白眉センター 潮雅之 特定准教授を中心とした研究グループは、生態系シミュレーションと微生物培養系を用いた実験から、生態系に存在するネットワークが計算能力(情報処理能力)を持ち、我々がその能力を利用しうる、という証拠を見つけました。 この研究で示された「生態系の計算能力」は、これまでに注目されなかった計算資源であり、発展