いつまでも美味しく食べ続けるためにも、歯はとても大切だ。しかし歯のケアについて、多くの人がもっている常識は果たして正しいものだろうか。前篇に続き、予防歯科や医療技術に詳しい歯科医に聞いた。 前篇では、「虫歯になったら悪くなる一方」という常識がくつがえされた。糖質と菌がもたらす酸によってカルシウムやリンが溶け出した歯を、唾液が再石灰化してくれる。この力を頼りにすれば、虫歯の自然治癒も可能だというのだ。 今回、応じてくれているのは、埼玉県志木市で「ヒロキ歯科診療所」を開業している西野博喜氏だ。後篇でも引き続き西野氏に、歯の治療や、日々の歯のケアの“正しい方法”について聞くことにしたい。またしても私たちの常識はくつがえされるだろうか。 安易な虫歯の治療は再発を招く ――前篇の最後では「穴が空いたら即、歯医者で治療」かというと、そうとは思わないという話をされていました。穴が空くほど虫歯が進んでも、