国家再生に向けて産経新聞社が提起した「国民の憲法」要綱の特色は何か。主な特色や論点をQ&A形式でまとめた。◇ 国家・国民は運命共同体 Q 国民と国家、憲法との関係をどう考えたのか A 憲法学界だけでなく、メディアの多くが「国家権力を規制するのが憲法」と強調する。国家と国民とを対峙(たいじ)する関係でみれば、誤りではないが一面的な見方と考えた。国家と国民は、よりよき国づくりを目標に、ともに力を合わせる、一体の関係でもあるからだ。 憲法を考える際、もうひとつ念頭に置いたイメージがあった。それは、過去から受け継いだ独自の文化や伝統といった歴史のうえに今を生きる国民が立ち、支え合いながら家族や地域社会を築き、それが地方自治体、国家へと広がっていく家のようなイメージだ。憲法とは、国家・国民が独立を守り、未来へと進んでいく時間的な縦軸と、国際社会との協調や自然環境との共生を目指す空間的な横軸を持つ「運