職業柄、外交関係の雑誌にはできるだけ目を通すようにしている。特に気に入っているのはCFR(米外交問題評議会)が発行する「フォーリン・アフェアーズ」誌だ。最新号の特集は「ポスト9/11」だったが、たまたま中国に関し対照的な2本のエッセイを見つけたので、今回はこれをご紹介したい。 対照的な2つのエッセイ フォーリン・アフェアーズといえば、以前は「中央公論」や「論座」で主要論文の日本語訳が読めたものだが、今やそんな贅沢はなくなった。同誌「日本版」も発行されているが、今回ご紹介する中国関係エッセイはいまだ翻訳されていない。仕方がないので、概要のみ簡単にご紹介しよう。 第1のエッセイは「中国のスーパーパワー化は不可避(The Inevitable Superpower)」と題され、中国経済がGDP、貿易量などの面でいずれ米国経済を追い抜き、中国が世界最大の債権国となることは間違いなく、さらにその時期