寺社に油のような液体が相次いでかけられた事件で、千葉県内の被害に対する建造物損壊容疑で逮捕状が出された宗教団体幹部の男(52)=米国在住=が「キリストへの信仰」を掲げていたことについて、キリスト教関係者に困惑が広がっている。寺社とも交流もある奈良や京都のキリスト教関係者は「聖書とは関係のない行為」と訴える。 関係者などによると、男は国内で開かれたセミナーで「日本の先祖が犯した罪を油で清めました」などと語っていた。 1887年に創立された日本聖公会奈良基督教会(奈良市)。興福寺に隣接する和風の建物で、被害を受けた東大寺や春日大社にも近い。井田泉司祭(65)は「聖書の中に、油を人と世界を清める『聖霊』の象徴として記している箇所はある。ただ、寺社を清めるという意味合いを持って油をかけたのであれば、聖書の意味を履き違えたものだ」と男の行為を否定する。 井田司祭自身は普段から平和問題などを通じ