このBlogは、私が物語研究の途上で出会った様々な発見や、物語をともに学ぶ人々との出逢いを綴ったものです。ごらんのみなさんにも物語文学の深遠なる森の如き世界の一端をお知りいただければ幸いです。 原さんから拝受。ありがとうございました。二冊目の著作、とうぜんひとつひとつの論の精度は確実に高くなっているように思います。ただし、音楽にしろ、書誌にしろ、池田亀鑑にしろ、方向性が完全にボクの志向性と丸かぶり、独自のお説はもちろんありますが、十年先行するボクの論は越えていただかなくてはいけません。 例えば、ボクの本の書評もあるのだけれど、研究史の突出した言説や些末な論点ばかりに筆を費やして、本書の特色や意義については素通り、「中身読んで書いたのかな~」と思うほどポイントがずれていたりします。これは『源氏物語文化論』と言いながら、享受論しかなく、『源氏物語』テクストを論じたものはひとつもないと言う空洞化