今年の3月18日から台湾の学生によって続けられている国会(立法院)議場の占拠は、1980年代後半にはじまった台湾民主化(軍政から民政への転換)以来の大事件です。これには経済的な、そして政治的な理由がいくつかあります、出版業の視点から、簡単に説明してみます。 この事件の原因としては、おおよそ以下の三点が挙げられます。 国民党議員により強制的に行われた、台・中サービス貿易協定を批准する法案の国会での不投票通過という手段への反対。 中国の統戦(台湾統合に向けた経済・情報戦略)と自由貿易が繋がることによる弊害に対する懸念。 WTO加盟(2002年)以来つづいている、経済自由化そのものへの反対。 サービス貿易協定の批准に抗議する学生たち。手にしているのは、オルダス・ハクスリーの『すばらしい新世界』とフランツ・ファノンの『黒い皮膚・白い仮面』。 国会占拠事件の発端 台湾と中国の関係は特別です。台湾海峡