八事山興正寺(名古屋市昭和区)が土地売却益138億円を巡り、名古屋国税局から申告漏れを指摘された問題で、梅村正昭(せいしょう)前住職(68)が高野山真言宗の外郭団体を名乗る東京都文京区の団体から、真言宗の開祖・空海(774~835年)ゆかりとされる巻物「御遺告(ごゆいごう)」を6億円で購入したことが、関係者への取材で分かった。 6億円は土地売却益から支払われたとみられる。書物の真贋(しんがん)は定かでないが、専門家は「同様の書物は多く存在し、通常では考えにくい高額の取引だ」と指摘する。 前住職と団体理事長の男性(67)が交わした念書によると、前住職は3500万円を支払って団体が保有する御遺告の真贋を確かめる権利を得た上で、入手を望む場合は、理事長が関与する別の団体に4億6500万円を寄付するとしていた。このほか、両者を仲介した東京都中央区のコンサルタント会社にも1億円を支払うことが約束