愛知県の渥美半島で鎌倉時代まで生産され、その後は姿を消していた陶器「渥美焼」。1970年代に復活させ、継承してきた同県田原市のグループ「渥美窯陶友会」が、メンバーの高齢化などを理由に今年限りで活動を休止する。大島邦男会長(74)は「歴史を閉ざしてしまうのは先輩方に申し訳ない」と残念そう。継承してくれる人がいないか、探している。 (斎藤徹、写真も) 渥美焼は平安時代の十二世紀初めには存在したことが確認されている。深い黒みが特徴で、平安貴族に愛された。十二世紀、焼失した東大寺(奈良市)が再建される際も渥美焼の瓦が大量に使われた。陶器の流行の変化もあり、鎌倉時代には姿を消した。