ここ1年ぐらいで痛感したことがある。「思っているより、世の中の人は日本中世に興味がない」ということだ。 私は史学科日本中世史専攻の学部生だが、大学に入ってから世間で流布する歴史というものと実際の歴史学の最前線とにはかなりのギャップがあると感じてきた。中世は面白いのになぜか周知されていないのは、これのせいである気がしてならないのだ。このギャップは、史料の扱いや情報の並べ方や何に着目するかという問題や、とにかく幅広く見えづらく複雑なものだ。しかし、私はまだ勉強が足りず、そのあたりに感じた違和感について、きちんと言葉にする資格がある気がしない。 なので、せめて日本中世史に興味を持っていない人に「日本中世史は意外に面白く奥深いのだ」と思ってもらえるよう、私が歴史の面白さを教えてもらった名著をまとめてみようと思う。日本史は政治史だけではない。これを読んで少しでも面白そうだと思ったなら、ぜひ手に取って
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