東京の国立ハンセン病療養所の敷地内で行われた発掘調査で、規模の大きい堀の跡が見つかり、ハンセン病患者の隔離など深刻な差別の歴史を裏付ける発見として話題になりました。考古学の発掘調査というと古代の神殿や集落の跡について行われるイメージがありますが、近現代の封印された歴史を解き明かす手法としても注目されています。 今月7日に行われた現地説明会には200人ほどが訪れ、ハンセン病の「負の歴史」への関心の高さがうかがえました。 ハンセン病の患者たちは、国による誤った政策によって長い間、全国にある療養所に強制的に隔離され、家族と引き離されただけでなく子どもを生むことも許されないなど、深刻な人権侵害に苦しめられてきました。 発掘を担当した国立ハンセン病資料館の黒尾和久学芸部長によると、今回見つかった堀は明治42年に療養所が開設された当時のもので、患者の逃亡を防ぐことのほかに、もうひとつの目的があったと言