長崎県は11日、対馬市で貴重な仏像の盗難事件が続いたことを受け、文化財を市内の寺社や個人から預かり、展示・保管する博物館を平成31年度にも開設する方針を固めた。県の27年度当初予算案に関連費用を盛り込む。 新博物館は、市の中心部にある県立対馬歴史民俗資料館の敷地に整備する。対馬市も予算を計上し、県と市で27年度中に施設の展示内容や外観の詳細を決める。 窃盗犯に扉などをこじ開けられないよう、強度の高い建物にすることも検討している。仏像などは長年、住民の信仰対象になっているため、文化財を預けた寺社や個人には複製品を渡す案もある。 対馬市は、大陸から渡来した貴重な仏像や経典が多い。人口減少や高齢化で関係者、住民だけで監視するのは難しく、県が公的施設での管理を検討してきた。 24年10月に3カ所の寺社から重要文化財の仏像などが、韓国人窃盗グループによって盗まれた。このうち観音寺本堂から盗まれた仏像