右が1718年から伝わる現物。左は復元・新調されたもので、巡行ではこちらが函谷鉾(かんこぼこ)の前懸(まえかけ)として飾られる。 日本三大祭りの一つで、ユネスコの無形文化遺産にも登録されている祇園祭が京都で始まり、さまざまな行事が今月末まで行われる。そのハイライトの一つが、各町が所蔵している山や鉾(ほこ)と呼ばれる山車やみこしが市内を巡行する山鉾(やまぼこ)巡行だ。重さ約7トン、高さは屋根まで約8メートル、周りは毛綴(けつづれ)など豪華な装飾品で飾られ、40人以上が綱で引き市内を巡行する。 1000年以上の歴史があるこの祇園祭に、聖書と関係するものが大事な役割を果たしているといったら意外だろうか? 山鉾の一つ、京都市下京区の函谷鉾(かんこぼこ)町に伝わる函谷鉾の前懸(まえかけ)に使われている16世紀ベルギー製のタペストリー(毛綴)には、旧約聖書の創世記24章に記されている「イサクの結婚」の