安倍晋三首相は30日の参院法務委員会で、自身の1993年の衆院初当選後に数年間、友人が理事長を務める学校法人「加計学園」(岡山市)の役員に就いていたことを認めた。ただ、現在問題になっている同学園の獣医学部新設に便宜を図ったかについては「恣意(しい)的な議論だ」と述べて改めて否定した。 首相は役員就任について「監査かそうしたものを務めた。1年間に14万円の報酬を受けた」と説明しつつ、「はるか昔のことだ」として問題はないとした。同学園の現在のウェブサイトの役員一覧には「監事」という役職がある。 また、野党が求める文部科学省の前川喜平前事務次官の証人喚問について、首相は「委員会(国会)が決めることだ」と改めて述べた。 これに先立ち、自民、公明両党の幹事長は東京都内で会談し、前川氏の喚問には応じない方針を再確認した。【高橋恵子、高橋克哉】