五十嵐隆幸『台湾有事 歴史・軍事・安定のメカニズム』(中公新書) 「台湾有事はいつ起こるのか」。昨年11月の高市早苗首相による「台湾有事発言」以来、中国による台湾侵攻への危惧がより一層強まっている。中国の持続的な軍事力強化や、高市発言をきっかけとする対日制裁の強化が、高まる不安に拍車を掛ける。台湾有事の勃発が、戦後日本の平和を終焉に導いてしまうのか。 そんな中、沸騰する世論に自制を呼びかける人物がいる。目白大学外国語学部准教授の五十嵐隆幸氏だ。五十嵐氏は2000年代半ばから20年以上に渡り、防衛省・自衛隊で台湾海峡問題や安全保障の実務や研究に従事してきた。今年7月、長年の実務経験を踏まえて研究の成果をまとめた『台湾有事』(中公新書)を出版し、昨今の中台をめぐる拙速な議論の危険性を訴えている。「『台湾有事は起こる』という思い込みから距離を取ってほしい」と訴える五十嵐氏に、台湾侵攻説が広がった

