伊藤忠商事の岡藤正広社長(63)といえば、海外高級ブランドの販売権を電光石火で獲得したほか、大型プロジェクトを次々と成功させるなど、商社業界のカリスマだが、そんな財界の大物も『半沢直樹』(TBS)を見ていた。 「本来なら、半沢のようなチャレンジ精神旺盛な人材こそ、今の日本企業に求められているはずです」(文藝春秋12月号『若者よ、ぐずぐず言わずまず働け』より) 経営者として、最終回の展開に首を傾げたのだ。大和田常務(香川照之)の不正を暴露した半沢(堺雅人)を、中野渡頭取(北大路欣也)が子会社に飛ばしてしまったからである。半沢がスピード出世だけを望むなら、どうやら銀行より商社のほうが向いていたようだ。 経営者も主婦も学生も一緒になって見たドラマ。9月22日の最終回で42.2%という驚異的高視聴率を獲得したのは決してフロックではないだろう。 骨太なテーマを笑いに包み込む抜群の脚本 そんなお化けド