長崎県沖の端島の全景。軍艦のような姿をしていることから一般的には軍艦島と呼ばれている。© 2018 野口貴文 30年間の研究生活の大半を、古くなった鉄筋コンクリートの状態を診断することに、また「手術」を施すことでコンクリート建築を長生きさせることに費やしてきました。 そんな野口先生に7年前、長崎県のとある無人島にある、世界で最も劣化の進んだコンクリート建築の調査と修復に知恵を貸してほしいという依頼が舞い込んだ時、断る理由はありませんでした。 その島の名は端島(はしま)。鉄筋コンクリートの建物が詰め込まれた6ヘクタールの島が、軍艦のようなシルエットを呈していることから「軍艦島」と一般的に呼ばれています。 海底炭鉱を抱える軍艦島は1974年に無人島となり、そのまま放置されてきました。 住宅を含む木造の建物はすべて台風と高波で吹き飛ばされて消滅してしまいました。コンクリートの建物はかろうじて残っ
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